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アニメ

【レビュー/感想】SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮』

4.0

SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮』のレビュー・感想記事です。

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基本情報

タイトル銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮
発表年 1999年
製作国 日本
長さ 26分×14本
ジャンル SF、スペースオペラ、ミステリー

作品概要

『銀河英雄伝説 外伝』は、本伝以前のラインハルトやヤンを描いた前日譚。

『螺旋迷宮(スパイラル・ラビリンス)』では、エル・ファシルの英雄となったヤンが、自由惑星同盟の名将ブルース・アッシュビー提督謀殺説の調査をきっかけに、同盟と帝国双方の歴史に隠された真相に迫る。

基本的にヤン視点でのお話。ちょいと若い頃のキャゼルヌ、パトリチェフ、アッテンボロー、ムライ、シトレの他、軍曹時代の若きビュコックなどが登場する。

アニメ版「外伝」の中では長編で、実質20分強×14話で構成されている。

あらすじ

ヤン・ウェンリー中尉は、帝国軍に包囲されて同盟軍司令部が撤退した後の惑星エル・ファシルから、民間人を無事に脱出させた。この功績と自由惑星同盟政府の政治的思惑もあり、彼は中尉から少佐へと2階級の昇進を果たす。

政府はヤンを英雄として祭り上げることで司令部の失態を覆い隠そうとしていた。連日の宣伝工作に駆り出されて辟易するヤン。するとある日、士官学校時代の先輩キャゼルヌ中佐からの呼び出しを受ける。

キャゼルヌはヤンにある歴史的英雄の調査を命じる。それは自由惑星同盟の名将ブルース・アッシュビー提督の死についてであった。第二次ティアマト会戦で戦死したとされるアッシュビーが、実は謀殺されていたと訴える投書が軍に繰り返し届いているという。

昇進に伴う正式な配属先も決まっていないヤンは渋々調査を開始するのだった…。

方向性

おもしろさ
(知性・好奇心)
 4.0
たのしさ
(直感・娯楽)
3.5
ふんいき
(シリアス↔コミカル)
4.0
むずかしさ
(平易↔難解)
3.5
みごたえ
(ライト↔ヘビー)
3.5

評価

ストーリー4.0
キャラクター3.5
イメージ3.5
サウンド3.5

14話見終わる頃には、ヤンの声優さんの声にもすっかり慣れていました。

感想・考察

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ネタバレを含んでいることがあります、未視聴の方はご注意ください。

歴史と真実

話をするヤン、キャゼルヌ、アッテンボロー

出典:銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮 第14話 |(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
キャゼルヌとアッテンボローにだけ考察を述べるヤン。
彼らが得た知見とは違う解釈が後世に成されるかもしれない。

歴史ミステリーな感じが面白かった。

最終話でアッテンボローは「見てきたような嘘、という気もしますね…」と指摘する。それに対してヤンは「嘘だよ。物的証拠はない、蓋然性はあるし説得力もあるが、今のところ仮説にすぎない」と認める。

歴史は後世の人による解釈でしかない。新たな情報・技術・価値観によって解釈が変われば、定説はあっさりと覆る。「いい国1192作ろう鎌倉幕府」なども典型例だ(旧:1192年→新:1185年)。

一方で後世の解釈には、同時代の人には持ち得ない、多角的且つ客観的な見識があるのも事実だ。一概にどちらが正しいと言えないところが面白い。

情報の総体から歴史を構築する後世の人、局所的な真実しか知り得ない同時代の人。虚実混合だが蓋然性に優れる歴史、真性で勝るが狭窄な真実。何れにせよ謎が残る。ミステリー😎

ヤンの人脈

ラップとジェシカを遠くから見つめるヤン

出典:銀河英雄伝説 外伝 螺旋迷宮 第4話 |(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
ラップとジェシカの想いを察するヤン。
逃げろヤン!見るな!離れろ!関わるな!

ヤンの人間関係、ヤン艦隊の面々の若き日の姿が垣間見れて楽しかった。

ヤン、ラップ、ジェシカの三角関係。ヤンパパの思い出。フレデリカとの邂逅。歴史の生き証人、ローザス、ケーフェンヒラーとの会談。キャゼルヌ、アッテンボローとの親交。パトリチェフ、ムライへの信頼。

ヤンの人脈もなかなか多彩。出会いはそのものは運命的だが、因果には確かな繋がりがあった。

まとめ

4.0

ヤン視点で銀英伝の歴史の歴史をしっぽり楽しめる作品で良かったです。

序盤から中盤に掛けては物語の方向性を掴みにくかったのですが、アッシュビー謀殺説の調査をきっかけに、同盟と帝国の過去と現在に跨る歴史の真相へと収束していく展開が気持ちよかったです。

原作小説

配信中のVOD

記事更新時点で『銀河英雄伝説 外伝』を月額見放題で配信中の動画配信サービスです。配信状況は時期により変わるため各サービスのサイトでご確認ください。

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