手動で加圧する蓄圧式の噴霧器『工進(KOSHIN) ミスターオート HS-401E』を除草剤散布の目的で購入・使用してみてのレビュー・感想・紹介記事です。
庭の雑草退治で利用している液体タイプの除草剤をシャワーボトルやじょうろで散布する際に効率の悪さを感じていました。
どうも撒きにくいし、地面に無駄に落ちている分も結構あって勿体ない!ということで、低価格&手軽な噴霧器『工進(KOSHIN) ミスターオート HS-401E』を試してみました。
この記事では実体験に基づいて以下のようなことを書いています。
- 本体や各パーツの作り
- 基本的な使い方
- 満加圧から噴霧できる持続時間
- 2年以上使ってみての耐久性
シャワーボトルで散布するのに比べると格段に楽になりました!
基本情報
『工進(KOSHIN) ミスターオート HS-401E』は、手動で加圧する蓄圧式の噴霧器。
家庭用・園芸用の薬剤散布などに使うことを想定した製品。その他、それなりの水圧での直射を利用した掃除用としても使える。
大まかな特徴は以下。
- 手動で加圧する蓄圧式噴霧器
ポンプを手動でシュコシュコピストンして加圧する
自転車の空気入れや飛距離の長い水鉄砲みたいなもの - タンク容量4Lの肩掛け式
噴霧器としては小さめの部類(本体重量1kg)
散布面積の目安は約14~18坪(※使い方次第) - 霧と直射の2WAY噴射
射程距離は霧が約1m、直射が約6m(※角度や条件に依る)
レバー操作で断続/連続噴霧の切替可能
園芸で使う家庭用の噴霧器って感じです。
噴射の勢いは、高圧洗浄機とか蛇口に取り付けて使うシャワーノズルよりも弱いものです。
基本仕様
型番 | HS-401E |
---|---|
タンク容量 | 4L |
重量 | 約1kg |
サイズ | 横幅22.7×奥行き19.5×高さ37.5cm |
ノズル形式(全長) | 1段1頭口(38cm) |
ホース長さ | 1.5m |
安全弁作動圧力 | 0.2MPa(2kgf/cm2) |
噴霧時間 | 約16分(薬剤・量による) |
噴霧距離 | 霧:約1m、直射:約6.5m (水平到達距離) |
噴霧面積 | 14~18坪 |
タンク交換目安 | 使用開始後4年 |
保証 | 購入から1年 |
価格
2021年8月にAmazonで購入時の価格は「1,260円(税込み)」だった。
『HS-401E』は、延長パイプや特殊ノズルなどオプション装備無しの『ミスターオート』シリーズで一番安い最小構成品。エントリーモデルって感じです。
【追記】2024年4月時点での価格は1,500円前後となっているようです。
梱包
Amazonで注文して2日後に到着。
本体サイズの関係で重量こそ1kgちょいと軽いのだけど、箱は大きめのものになっていた。
外箱の中には、パイプ以外が組み上げられたHS-401E本体一式と取扱説明書が、素のままで収納されていた。
ノズルパイプは本体(タンク)のホルダーに取り付けられていて、ホースはビニールタイでまとめられていた。
セット構成は以下。
- 本体タンク
- ポンプ(+タンクキャップ)
- ホース+ノズルグリップ
- ノズルパイプ(+噴口)
- 肩掛けベルト
- 取扱説明書
外箱はHS-401Eを保管する際にも使えるのと、取扱説明書には書かれていない仕様についても記述されている。捨てずに取っておくのが堅実。
本体一式
本体(タンク)
ポンプを取り付けた状態での本体サイズは、おおよそ「横幅23cm×奥行き20cm×高さ38cm」。重さは全部こみこみで約1kg。材質は樹脂製、いわゆるポリタンク。
肩紐ベルトは約146cm。取り外し可能でタンクに取り付けた際の長さも調節できる。
ポンプハンドルと安全弁
ポンプはタンクキャップと一体化していて、クルクル回してタンクに着脱できる(ネジキャップ)。タンクの口の直径は約4.3cm。
ポンプとシリンダー
散布に使用する際は、このポンプを本体に取り付けて上下させることで加圧する。
ハンドル部分はタンクキャップにロックして動かないよう固定できる。
ノズル・パイプ・レバー
HS-401Eのパイプ長は38cm。グリップには回して付け外しする。
操作レバーは、押し下げている間だけ噴霧される「断続噴霧」と、押し下げた状態を固定することで噴霧しつづける「連続噴霧」を切り替え可能。レバーを押した状態で前後にスライドさせるだけなので操作は簡単。
パイプ・ホース・噴口
「ホース+パイプ」を合わせた全長は約1.8m。タンクを左肩に下げた状態で、右手にグリップを持って腕を伸ばしても余裕のある長さ。
噴射口は回転させることで「霧」と「直射」を切り替えられる。広範囲に散布する霧モードの場合は締め、直射モードにする場合は緩める。
基本的な使い方
基本手順
- ポンプキャップ以外の全パーツがしっかり取り付けられていることを確認
しっかり締まっていない状態で加圧すると漏れる
レバーの連続噴霧状態が解除されているか確認 - タンクに薬液を入れる
希釈するタイプ薬液なら別の容器で予め混ぜておくのも手になる - ポンプを本体に取り付け、タンクキャップをしっかり締める
- ハンドルを上下させて加圧する
安全弁が上がって赤色のラインが見えるまで加圧
適正圧力まで加圧できると安全弁が上がってプシューって音がする
後半の加圧には結構力がいるが、上から体重をかけるように押すと楽 - レバーを押して噴霧開始!
噴霧の勢いが落ちてきたら適宜加圧する
圧力が完全になくなると「ボボボッ!」みたいな音がして泡が出てくる
注意・確認事項
散布時の準備
タンク関連
強い圧力にさらされるタンクは注意事項が多いです。
破裂したりすると危ないので4年未満でも注意しておきたいですな。
メンテナンス
しっかり洗って油を差すのが肝要らしいです。
ガッツリ加圧して使うものですから、お手入れもそれなりに必要ぽいですな。
使用感&メモ
加圧回数と噴霧時間
タンクに4Lを入れた場合は約10回で満加圧とされているが、2Lの場合だと約50回必要だった。
タンクに容量ギリギリの4L入れると除草剤が泡立って安全弁から漏れることもあるらしいが、容量半分の2Lでなら、満加圧でも中身で漏れたり吹き出すことはなかった。
2L満加圧からの噴霧継続時間は測ってみたところ7分49秒だった。途中で再加圧しなくても噴霧自体は継続できるけど、少しずつ勢いが落ちていくため、実用上は再加圧がプラス1回必要な感じだった。
噴霧時間自体は、カタログスペックの「4Lで16分」の約半分で想定通り。
軽いグリップを持っているだけで数分間「シャッー」っと楽に除草剤を散布できるのが感動的でした。
操作レバーを連続噴射モードに固定しちゃえば、レバーを握り続ける必要すらないんです。
重いじょうろを持ったり、シャワーボトルを振ったりして散布するのに比べると、時間も労力も軽くなって本当にめっちゃ楽です!
噴霧時の射程距離
HS-401Eの噴口は「型番:PA-164、HS 1段1頭口噴口」と呼ばれるもので、霧での散布角度は70°、水平到達距離は約1mとなっている。
霧での散布射程は「腕の長さ(伸ばし方)」+「パイプの長さ(38cm)」+「PA-164仕様の到達距離1m」となり、最大でも体から2.0m程度の距離。
しかし、高いところや遠くへ散布しようとすると、霧状なだけに風に流されて拡散しやすく、狙った雑草の葉や茎に当てにくい。そのため、 HS-401Eでの実用的な射程距離は最大でも1.5m程度に思えた。
噴霧の勢いは、水道の蛇口に付けて使うシャワーノズルの霧モードとかに比べると半分以下程度。これは、散布面積の目安になっている14~18坪以下の範囲に除草剤を散布する上では充分で、強すぎなくて程良いとも言える感じだった。扱いやすいかな。
『ミスターオート』シリーズには、「延長ノズル」や「除草剤の散布に特化した噴口(泡状・粒状)や飛散防止カバー」が付いたモデルもある。
また、単品で追加可能なカスタムパーツもラインナップされているので検討したい。
HS-401Eに使える追加パーツの情報は取扱説明書にも載っています。
散布効率
液状除草剤の容器でもあるシャワーボトルで庭に散布する際は約4Lを要していたのが、HS-401Eだと約2Lで足りたのが驚きだった。
シャワーボトルやジョーロだと散布される薬液の量・範囲を正確にコントロールするのが難しい。しかし、噴霧器だと細いノズルの先で狙いがつけやすく、雑草の葉や茎にピンポイントで散布できるので効率がかなり上がるようだった。
高い精度でスプレーできるので地面に無駄に落ちてしまう薬液の量を減らせるのが大きいです。
しかし、半分の量で済んだのにはびっくりしました(条件や使い方にも依るんでしょうが)。
耐久性について(追記)
自宅庭での除草剤散布に計9回使用した時点では動作に異常はなく正常。1回あたりの使用時間は約7~8分で、毎回2Lの除草剤を散布した。
手入れは、使用後にタンク内外や各パーツの全体を水道水で洗浄、さらに水道水を2~3分ほど噴霧してホースとノズル内も洗い流す。その後、充分に乾燥させてからグリスを塗布している。
洗浄時の噴霧時間も含めると、1回あたりの実使用時間は約10分×9回=90分程度になったと思われる。タンクのシール(紫外線劣化の確認用)にも変化はなく大丈夫そう。
保証期間を無事に突破!問題なく使えています。
メンテナンス用の純正シリコングリスを購入してレビュー記事も書きました。
まとめ
HS-401E、これは本当にもっと早く買っておけば良かったです。購入する4年くらい前から除草剤用の噴霧器に興味があったのですが、なんやかんやで機会を逃していたのが悔やまれます!
良かった点は、「散布に掛かる時間・労力が減る」と「散布効率が上がる」ところです。除草剤の散布全体で見ると、これだけでもコスパがグッと良くなります。
悪いってほどでもないんですけど、足りないところを上げるとすると、パイプがもうちょっと長いほうが使い勝手が良さそうです。
また、メンテナンスのために専用のグリスと、消耗が早そうなパーツ(パッキンなど)を用意しておく必要性が高そうな点でしょうか。約2年8ヶ月使用した時点ではパーツに不具合は出ていませんが、継続使用を想定すると交換・補修用のパーツ費用で+1000円ちょい掛かりそうです。
総合的には、低価格ながら家庭用の園芸用途なら充分な性能を発揮してくれる便利な噴霧器といった印象です。個人的には良い買い物でした!
手軽に試すことができる園芸用の噴霧器を探しているなら一考の価値があると思います。
ミスターオート(手動蓄圧式)
2.5Lサイズ
型番:HS-251BT。
タンク容量は2.5Lと小さめ、延長パイプ付きでパイプ長が最長で75cmのモデル。噴口は1段1頭口。
4Lサイズ(E系)
型番:HS-401E。パイプ長38cmの最小構成モデル、安いのが特徴。本記事でレビュー。
4Lサイズ(B系)
型番:HS-401BT。
延長パイプ付きでパイプ長が最大75cm。噴口は1段1頭口。
401E系との違いは、ホースの長さが「1.5m→2m」、安全弁作動圧力が「0.2MPa(2kgf/cm2)→0.3Mpa(3kgf/cm2)」で水圧が少し強い。
メンテナンス・交換パーツ
専用グリス
型番:PA-186。
注油用のシリコングリス5g。レビュー記事も投稿しています。
パッキンフルセット
型番:PA-176。
HS-B・C・E系シリーズに使える交換用パッキンのフルセット。
1段1頭口噴口
型番:PA-164。
交換用の1段1頭口の噴口。
ノズル本体組
型番:PA-179。
操作レバー部分を含むノズル本体組の替えパーツ。
延長パイプ
型番:PA-168。
長さ38cmの延長パイプ。
以上です!
ここまで読んでくれてありがとうございました😊