【読書感想/レビュー】『最後は臼が笑う』 著:森絵都

森絵都の短編小説『最後は臼が笑う』の読書感想・レビュー記事です。記事中に表示を選択できるネタバレ感想を含みます。

どんなダメ男や悪い男も愛せてしまうヒロイン桜子(39)が遂に出会った「全く愛すべきところのない悪い男」。桜子に呼び寄せられた高校時代の友人たちも目撃することになる悪の正体とは…。

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作品の基本情報

『最後は臼が笑う』は、2018年にKindle Singleから出版された「森絵都」の短編小説。

  • タイトル:最後は臼が笑う
  • 著者:森 絵都(もり えと)
  • 出版社:Amazon Publishing(Amazon Single)
  • 初版発行年:2018年
  • ページ数:24ページ
  • メディア:電子書籍(Kindle)
  • 価格:199円(Kindle)
  • ジャンル:短編小説、恋愛、コメディ

30分くらいで読める笑えるタイプの面白い短編小説です。

あらすじ

ヒロインは公務員の桜子、39歳。人生このかた、ろくでなしの悪い男にひっかかり続けてきた関西人。

妻子持ちに騙され、借金持ちには貢がされ、アブノーマルな性癖持ちにいたぶられる。ところが、桜子は「ろくでなしや、あかん奴や言われとる男に限ってな、どっかしら可愛いとこを持っとるもんなんや」と公言し、好んで吸い寄せられていく。

高校時代からの友人の「私」は、悪弊の連鎖を断つべく有志を募り、「桜子の男運を変える会」まで結成したが、当人は我関せずだから、どうしようもない。

ところがある日、解散して早十年を数える会に、桜子から緊急招集がかかる。「一分の隙もない完全な悪」にとうとう出会ってしまったのだという。〝完全な悪〟とはいったい何者か?

出典:最後は臼が笑う (Kindle Single) | 森 絵都 | Kindleストア | Amazon

タイトルでは「推理小説」を連想し、あらすじでは「恋愛/メロドラマ/サスペンス」のようにも思ったのですが、読んでみると良い意味で予想外な雰囲気でした。

ネタバレ感想

ネタバレを含む感想のため未読の方はご注意ください(クリック・タップで開閉します)。
お話自体は「現実に有りそうだけど、実際は無さそうな」コメディタッチのフィクションと言った感じで、コントを見ているような気分だった。
法で罰することのできない「悪」を裁こうとする類の話は重くなりがちだけど、主人公たちの考える愛嬌のある制裁計画と、「さるかに合戦」の臼に見立てたオチで救われた。
悪に対する超自然的な報い(天罰)への期待感、自分と同じように心を痛めていた人々との共感を同時に満たされたようでスッキリ!
スッキリとした読後感の余韻を楽しんで明日の元気にするのがベターなんだろうけど、つい野暮なことも考えてしまう。
この話を現代版の「さるかに合戦」として読むと、悪役に対する「私刑」を目論んだが、結果的には偶発的な「事故」で”刑/罰”を執行できてしまったとも解釈できる。
オチに対する心地良い読後感の正体が「これ以上の被害を防げる安堵感」ではなく「悪を罰する事自体への愉悦」だとしたら少し怖いかも。 蟹さんチームは果たして「正義」なのか。
そういう意味でも、臼アタックと拍手でのオチは良い塩梅だったのかもしれない。しかし、臼おばちゃんの強引な割り込みも大概だよなあ(ノ∀`)アチャー

まとめ

4

『最後は臼が笑う』は、30分程度で気軽に読むことができて、オチが軽妙な面白おかしい作品でした。最後はほんと笑っちゃいましたね(*´∀`)

恋愛要素も含まれてはいるんでしょうけど、アラフォー主人公たちのざっくばらんな関西弁でのやり取りなども含めてコメディ要素が強い印象でした。

手軽に読むことが出来て、読み終えると少し気が晴れるような、元気になれるような作品を探している人にはぴったりだと思います。

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