室内に侵入してきた蟻対策に使用した殺虫剤『アリメツ』のレビュー・使用感想・備忘録記事です。
基本情報
『アリメツ』は、有効成分に「ホウ酸」を用いた液状の蟻用殺虫剤(殺蟻剤)。
ざっくり言えば、誘引剤である糖蜜(シロップ)の中にホウ酸を混ぜた毒餌。これを蟻に食べさせることで4~10時間後に中毒を起こし、遅くとも24時間後には死に至らせる。
蟻は見つけた餌や吸食した蜜を巣に持ち帰って仲間に分け与える性質をもっている。この性質を利用して群れを巣ごと壊滅させる仕組み。遅効性の殺虫剤。
商品詳細
成分 | 水分:42.6% 糖蜜他:57.4% (糖蜜98%、ホウ酸2%) |
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内容量 | 55g |
使用回数 | 約25回 ※付属の専用小皿を使った場合 |
効果のある蟻の種類 | アカアリ、ヒメイエアリ、クロオオアリ、アメイロアリ、アルゼンチンアリ等 ※シロアリには効果がない |
発売元 | 横浜植木株式会社 |
価格
2022年9月時点での価格は、小皿2つが付属しているセットが500円前後、雨でも使える蓋付きの容器1つが付属したセットが700円前後となっていた。
2022年8月にAmazonで安い方を購入した際の価格は「555円(税込)」だった。
蟻を滅するで「アリメツ」でしょうか。ストレートなネーミング😎
梱包・包装
封筒
Amazonで注文した翌日にポスト投函のメール便で到着。封筒は正常、特に異常なし。
紙箱
アリメツの包装は、オレンジと黒が印象的な紙箱。特段変わったところはない。
箱の裏面に使用目的、使用上の注意、保管上の注意。右側面に使用方法、特性などが記載されている。
本体・付属品
セット内容
アリメツ本体は半透明のプラスチックボトル入り。専用のプラスチック小皿2つが付属している。
本体ボトルと小皿
ボトルの裏面に使用方法、注意事項、発売元などが記載されている。
ボトルのキャップはワンタッチタイプ。開閉は片手でも可能で、液垂れも起きず使いやすかった。
付属の小皿はペラペラなプラスチック製。窪んでいる中央部分にアリメツの液を入れて使用する。
使い方
基本は「容器(小皿)にアリメツを10数滴入れて、蟻の巣や通り道の近くに設置。半日~1日くらい置いておく。」。
液について
アリメツの液の成分は「水分:42.6%、糖蜜56.252%、ホウ酸1.148%」。
水で薄めると効果がないため、原液のまま使う。直射日光下では液の表面に薄い膜が生じて蟻が吸食しにくくなるので日陰に置く。
通常は液体だが、半分以上は糖蜜のため、水分が蒸発すると凝固して水飴のような粘りのある半流動体になる。凝固すると吸蜜性の蟻が吸えなくなるので取り替える。
「気温30度以上の屋外」+「気温が少し下がる夕方以降の日陰」に設置した場合でも、付属小皿一杯14滴分くらいの量が半日後には凝固していた。気温の高い昼間に設置すると特に凝固しやすいと思われる。
2022年の8月中旬~下旬に使用したのですが、猛暑だったのもあってか、半日くらいで液が凝固しちゃってました。気温が高い環境だと水分が飛びやすいので、効率が下がる印象です。
容器について
付属の小皿は薄くて軽いペラペラのプラスチックなので、屋外では液を入れていても風で飛ばされやすい。風が強い場合はテープなどで固定したい。
アリメツを入れる容器は付属の小皿でなくてもいい。液がこぼれたり染み込んだりせず、蟻が行き来しやすいなら、割りと何でもいい。
裏返した小皿の高台(足の部分)の内側。水平な場所ならテープで留めた食品ラップに液を垂らしてもOK。土など埋められる場所ならペットボトルのキャップも使えそう。家にある何かで代用できる。
使用後の容器に液が残った場合、凝固している可能性が高い。付属の小皿だと、流水に数秒あてることで柔らかくなって洗い流せた。半日~1日程度だとカチカチに固まるわけではないので、ティッシュで拭き取ることもできた。
設置場所
容器を設置する場所は、蟻の巣か通り道の近く。
蟻を遠くから呼び寄せる誘引効果はないので、巣の近くか、餌を探している蟻の探索ルート(通り道や行列)の側に設置する。
設置期間
アリメツを吸食した成虫や幼虫は24時間以内に死ぬ。だが、生き残った卵が7~10日後に孵化して再活動するため、巣の全滅には発見次第の再設置が必要。
アリメツが全体に行き渡るかは、巣の規模や各種条件で不確実なので、
使用メモ
- 1日目大殺到
室内にアリメツを設置。行列から内外の侵入ルートを特定。
屋外に設置したアリメツには蟻がびっしり群がっていた。
以降、1日1回の頻度で屋外にアリメツを設置・交換。 - 2~3日目減退
屋外に継続してアリメツを設置。
蟻はいるのだけど1日目より数が大きく減っていた。 - 4日目勢力転換
当初見かけた小さい蟻より一回り大きい蟻をよく見かけるようになる。
裏庭の蟻たちの勢力図が塗り替わったのかもしれない。 - 5日目~小康
投入したアリメツの大部分が吸われずに残るようになる。
全くいなくなるわけではないが蟻の数は減っているようだ。 - 14日目作戦終了
相変わらず蟻はいるが少数。室内への侵入も防げている。
当初の小さい蟻はあまり見当たらず、侵入口も塞いだのでアリメツの投入を停止。作戦終了とした。
屋内戦
8月の初旬頃からダイニングルームで小さめの蟻が出窓付近を数匹うろちょろしているのを見かけるようになった。さらに数日後には数と頻度が少し増えていたので対策を打つことにした。
初日は様子見ということで、付属小皿の窪み半分くらいの量6~7滴を使用。室内で蟻をよく見かけたあたりにトラップを設置した。
30分~1時間が立つ頃には蟻たちが集まり始め、2~3時間後には行列ができていた。その行列をたどることで室内への侵入口を特定。家の外壁に出来た行列をチェックして外側の侵入口も特定できた。
設置したアリメツトラップは、約半日後には液がすっかりなくなっていた。家の外側の行列付近に追加のアリメツトラップを設置したためか、室内に蟻はいなくなっていた。
内外の侵攻ルートを特定できたので、屋内での戦いは1日で終わりました。
室内への侵入口
室内への蟻の侵入口は壁と巾木(はばき)の1~2mm程度の隙間だった。こんな狭いところから!
気付いた初日は仕方ないのでセロハンテープで封鎖。対策として隙間を埋めるための充填材(コーキング剤・シーリング材)を購入。隙間を埋めて塞いだ。
安くて量も必要十分だったので、床と巾木の色と全然違うホワイトを購入しました。
本来なら木用のブラウン系を使うべきでしょう。白だと流石に目立つので、茶色っぽく塗装しないとなあ。充填部が目立たないようにちょっと塗るくらいならペンとかでもいいのかしら?
屋外戦
序盤
家の外側の侵入口は行列を辿って特定できたが、スタート地点である「巣」の位置は砂利・草・ブロックなどに阻まれて見つけられなかった。
仕方ないので、行列のルート付近にアリメツトラップを設置。初日は設置から4時間ほど経つと大量の蟻が群がっていた。
初日に設置した付属の小皿一杯のアリメツ液(14~15滴くらい)は、約24時間後に確認するとほとんど吸い付くされていた。残った一部が凝固して溺れた蟻が閉じ込められていた。
2日目になると蟻の数は減っているようだったが、完全にいなくなるわけではなかった。初日と同じように設置したアリメツ液は、約24時間後に確認すると半分以上が残って凝固していた。消費量が減った?
中盤
日を重ねる毎に蟻の数は減っていっているようだったが、完全にはいなくならなかった。
うちの場合は庭のどこかしらに複数の蟻の巣があると思われるので、全ての巣にアリメツを充分に行き渡らせるには、設置する量や回数(凝固までの時間的な意味で)が不足していたのかも。
アリメツの液で溺れている個体が多いのがちょっと気になりました。
凝固して粘ついたら足を取られることもあるでしょうが、液状の段階でも普通に溺れちゃってる子が結構いました。容器の形状にも依るのかな?
水平なところであれば、ラップやセロハンテープに雫を一滴ずつ垂らすみたいな方が、皿でプールみたいにするよりかは吸食しやすいかもしれません。
でも、水分の蒸発が加速して凝固しやすくなりそうだし、設置面積も取っちゃうか🤔
終盤
アリメツ設置から10日くらいが経つころには、見かける蟻の数が大きく減っていた。しかし、完全に駆除できた感じではなかった。数は少ないが相変わらずチラホラ見かける。
設置したアリメツは、付属の小皿容器に半分くらい液を入れたものが、約24時間経っても大部分残っていた。
巣の中の卵が7~10日くらいで孵化するという事だったので、結果的に約2週間1日1回アリメツを設置して様子を観ることになった。
目的だった室内への蟻の侵入阻止は果たされたので作戦終了とした。
室内に侵入していた小さい蟻たちの巣を見つけられなかったので、巣ごと壊滅させられたかは未確認でした。
庭の蟻を全滅させたい訳でもないので、とりあえず良しとしました。効果あったぽい、といったところでしょうか。
まとめ
初めて使ったアリメツへの評価は「まあまあ」という感じでした。
固形のエサに食いつきにくい吸蜜性の蟻には効果が期待できそうでした。一方で容器の量や凝固する液を交換する手間がかかるので使い勝手はいまいちです。
他の蟻駆除用の殺虫剤(毒餌剤)を使ったこともありますが、どのみち数ヶ月経つと復活する(お隣や道路を通じて移動してくる)ので、その都度対応するしかないと考えています。
アリメツは固形のエサが通じにくい吸蜜性の蟻が発生したときの選択肢になるかと思います。
アリメツ
自作アリメツ
アリメツは「水+糖蜜+ホウ酸」で出来ているので、ホウ酸の粉末と適当な糖分で自作も可能なようです。
ノウハウや手間が必要になるでしょうが、ホウ酸が安いので上手く作れるようになればコスパ良いかもしれません。