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アニメ

【レビュー/感想】アニメ『メイドインアビス』

4.0
4.0

アニメ『メイドインアビス』のレビュー・感想記事です。

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基本情報

タイトルメイドインアビス  
発表2017年~
(原作漫画:2012年~)
製作国日本 
ジャンルファンタジー、アドベンチャー
キーワード冒険、秘境、人間ドラマ、SF、アクション、ダーク、ロボット、モンスター、獣人

作品概要

『メイドインアビス』は「つくしあきひと」の漫画を原作とするTVアニメ・劇場アニメ作品。

2017年にテレビアニメ版の第一期、2020年に劇場版、2022年にテレビアニメ版の第二期が公開された。各作品は一続きのシリーズとなっている。

ジャンルは広義のファンタジーとアドベンチャー。ダークな要素やSF成分も含まれている。

架空の世界を舞台に12歳の少女リコとロボット少年のレグ、その他ケモケモした可愛いヤツなどが、秘境の大穴『アビス』の底を目指して旅をする物語。

あらすじ

開拓され尽くした世界に残された秘境、謎の大穴「アビス」。
入り口の直径約1km、深さ20kmを超えるとされる巨大な穴は、奇怪な生物と特異な環境、人体に及ぼす「呪い」によって人の侵入を拒んでいた。
しかし、深層で見つかる不思議な力を秘めた「遺物」と未知への憧れは、人々をアビスへと引き寄せ続けた。
アビスに挑む者たちは、いつしか「探窟家」と呼ばれるようになった。

穴の縁に造られた街オース。
孤児院で暮らす探窟家見習いの少女リコは、父や母のような偉大な探窟家を目指していた。
ある日、アビスの浅い層を探窟していたリコは、少年の姿をしたロボット「レグ」を発見する。遺物と思われるレグを奪われまいと、リコは仲間たちと協力してレグを孤児に仕立て上げる。

仲間に加わったレグと修行の日々を重ねるリコ。
ほどなくしてオースの街にアビス深層からの報せが届く。その報せの中には、10年前にアビスに潜り、今は亡き者とされているリコの母ライザからの手紙もあった。
その手紙には短く『奈落の底で待つ』と記されていた。

母が残した言伝、未だ見ぬ何かへの憧れ。
リコはレグと共にアビスの底を目指す冒険の旅に出るのだった。

主人公たちの旅は、生きて地上に帰れぬことを覚悟した決死の片道切符です。
アビスの呪いは「上昇負荷」とも呼ばれ、降りる際には影響しないが、帰るために昇る際に身体に異常を及ぼします。
上昇負荷は浅いところからであれば軽微ですが、深層からだと不可逆の身体的な変化や破壊によって死をもたらします。深いところまで潜ってしまうと帰れなくなるという設定です。

方向性

おもしろさ
(知性、好奇心)
 4.0
たのしさ
(娯楽性、直感)
4.0
コミカル
(笑い、喜劇)
4.0
シリアス
真剣、悲劇
4.0

コミカルとシリアスが混在する悲喜劇の両極端が特徴。

かわいい絵柄の少年少女たちの冒険は明るく楽しく描かれる。しかし、向かう先には、怪物が跋扈する過酷な特殊環境と、先人たちの欲望の坩堝が待ち受けている。主人公一行は、未知の世界に心躍らせる一方で、数々の苦痛と悲愴と恐怖の地獄を味わうことにもなる。

壮絶なサバイバルの中で繰り広げられるアクションや機略は多彩で面白く、難関を突破して進んでいく様は快感でもある。面白さと楽しさの成分もてんこ盛り!

ワクワク楽しいファンタジーなアドベンチャーが基本ですが、「鬱」や「グロ」などの重い要素も含んでいます。また、主要キャラクターには”ロリ”や”ショタ”の傾向も強く見られます。

”娯楽”と”ダメージ”のどちらが勝るか…、コミカルとシリアスが極端に混在しているので難しいところです🤔

評価

ストーリー3.5
キャラクター4.0
イメージ4.5
サウンド3.5

クオリティは全体的に高い。特にアビス世界の画(地形・怪物・背景)が、幻想的で美しく良かった。

ストーリーは、人間ドラマの多さが残念。誇張した感情表現で”ヒト”の本能に組み込まれた機械(動物)的反応を促す陳腐で低俗な演出も目につく。”人間”的な理性を主体として、未知の環境を冒険し探究し踏破する様をもっと濃く観たかった。

アビス世界のビジュアルが素晴らしいです。想像が捗る!

感想・考察

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ネタバレを含んでいることがあります、未視聴の方はご注意ください。

愉快と不快の大差

ナナチの撫でるリコ

出典:メイドインアビス 13話 |(C) 2017 つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス製作委員会
ナナチをモフるリコと息を呑むレグ。
カワイイで中和される節もあるが、カワイイからこそ余計に痛々しくもある。度し難い😭

人間ドラマの部分における愉快と不快の差が大きい作品だった。エグい!!

カワイイ・グロ・激情・打破

幼くカワイイキャラクターたちが和気あいあいと天真爛漫に戯れる「カワイイ」が濃厚に描かれる。一方で、その子たちが人体の破壊や変質を伴う凄惨な呪いや拷問などの被害を受ける「グロ」もねっとりと描かれる。

グロ展開の後には被害キャラの恐怖・慟哭・憤怒・憎悪・発狂などの「激情」が待っている。そこから敵や環境に勝利し困難を打開する「打破」へと展開する。そして、それがループする。

厳密にはもっと細かい演出や段取りが用意されていて多彩だけど、概ね「カワイイ・グロ・激情・打破」のジェットコースターだった。テンションの高低差の激しいことよ。

特に「カワイイ」の優しくて暖かくて穏やかな幸福イメージと、「グロ」の生々しい狂気と苦痛と暴力の地獄絵図が極端なコントラストになっていてエグかった。心のヒートショック😊😍😱😭

まどマギを思い出す

カワイイ萌え絵でどぎつい話や描写がある『魔法少女まどか☆マギカ』を思い出した。

マミさんが”マミった”時の衝撃、まどかの選択、ほむらの狂心、キュゥべえの鬼畜外道っぷり…。

カワイイとグロの合わせ技。辛くなっちゃって「もう観ない!」って投げ出すんだけど、怖いもの見たさもあるのか結局観てしまう…。度し難い心理。

地雷シーンの回避

漫画の”地雷シーン”を事前に警告する技術の記事が上がっていた。

アニメや映画やドラマなどの動画コンテンツでも、ユーザーの嗜好に合わせて事前に警告・スキップ・モザイク・マイルド加工する技術が発明されたりしないかな。

アビス世界のワクワク

深界二層をレグの伸ばした腕で下りていく二人

出典:メイドインアビス 5話 |(C) 2017 つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス製作委員会
深界二層を下っていくレグとリコ。その周囲を飛び交う虫っぽい生き物。
描き込まれた背景は美しかったり、幻想的だったり、不気味だったりで良い感じ。

アビス世界のビジュアルや設定にワクワクさせられた。

ビジュアル

アビス世界のビジュアルに圧倒された。

リコ達の旅は、飲んで食って出して寝ての生活と、身を守りながらの移動の繰り返しだ。それらの行動の過程で遭遇する各層の地形・気候・物質・生物・力場などの環境が、美しくも奇怪な映像で次々に現れる。

それが何なのか、なぜそうなっているのか、分からないことだらけ。なのだけど、異世界の各環境要素を内包した圧倒的に美しいビジュアルには不思議な説得力と没入感があった。

視覚の影響力はやっぱりデカい。

世界観と設定

物語の世界観やアビスの設定が面白かった。

作中世界の科学文明のレベルを現実世界に当てはめると20世紀初頭くらいだろうか?電気エネルギーが普及していて、飛行船を飛ばす技術はあるようだった。

アビスの生き物を狩猟採集し、調理して食べてトイレするところまで描かれてるところも良かった。

主な舞台となるアビス内部に広がる地下世界は、奇妙奇天烈で多様な環境が描かれていて興味深い。アビスの生き物を狩猟採集し調理して食べる(トイレする)ところまで描かれているのには不思議な臨場感があった。海や山や宇宙への憧れにも似ている、秘境浪漫!

アビスの呪い(力場・上昇負荷)は謎が多いけど、ファンタジーの”何でもあり”を制約して、ドラマを演出したり、キャラクターの行動に工夫を必要としていた。

主要な登場人物たちは基本的にみんな頭が良いってところも好印象。程度に差はあれど物事を論理的(科学的)に思考できる人々のやり取りは観ていて気持ちいい。ナナチの力場解説は直感的なんだけど観測と推論から理を見出そうとする知性が感じられて良かった。

これらの面白さとワクワク感から連想するのは『HUNTER×HUNTER』の暗黒大陸編だった。いつの日か続きを読みたい。

アビスの謎

アビスの謎については考えないようにしていたけど、やっぱり想像してしまった。

アビスの呪いは、放射線障害や老化(癌)に因んでいるように思えた。ある層から1層上昇する際の負荷は、自然な放射線被曝や老化によるダメージを「界層値×1~10年分」一度に受けるようなもの?物語と関係する意味があるのだろうか。

アビス全体には人の誕生や人生の縮図を連想した。人生も後戻りできない生と死への旅だ。奈落見取図とそこを下りていくイメージは産道のようでもある。だとしたら、地上世界と周囲の海は子宮になるのだろうか?精子の旅・出産・誕生後の人生?

向かう先、奈落の底に待っているのは何だろう。生誕の試練であるなら新たなスタート地点?人生のゴールなら、解釈により地獄(アビス)だったり天国だったり無だったり、或いは別の何かだろう。神々しい菩提樹の大木とかがあっても面白そう🤣

オースの街や地上世界が地獄染みているのも気になる。あれらはアビスの一部、深界0層なんだろうか。全てはアビスから生まれたとか…。

謎は楽しみに取っておこう。

まとめ

4.0

業の深いナニカがたっぷり詰まっていて本当に面白いです(記事投稿時点では連載・配信中)。

劇場版でのボンボルドやプルシュカのイメージが強く残っているのでグロイメージが強いですが、TVアニメ版はそれなりに抑えられているので冒険要素を楽しみやすいと思います。

ファンタジーとアドベンチャーとコミカルとシリアスを全部濃い味で楽しめます。ワクワクドキドキな刺激を味わいたい時にぴったりな作品ではないでしょうか。

原作漫画

原作漫画はWEBコミックガンマで連載・配信中で、最新話を無料で読むことができます。その他、LINEマンガなどでも配信されています。

単行本は2022年9月時点で11巻まで出ていました。

アニメ視聴方法

見る順番
  1. TVアニメ1期(2017)
  2. 劇場版総集編『旅立ちの夜明け』(2019)
  3. 劇場版総集編『放浪する黄昏』(2019)
  4. 劇場版『深き魂の黎明』(2020)
  5. TVアニメ2期『烈日の黄金郷』(2022)

劇場版総集編の2つはTVアニメ1期の総集編です。
5.1chにリマスター&新規カット追加などされていますが、ストーリー的には飛ばしても特に支障ありません。

記事更新時点での情報です。動画配信サービスは配信状況が変わるため各サービスのサイトでご確認ください。

TVアニメ1期(2017年)

AmazonプライムやHuluなど動画サービスで配信中。

劇場版総集編『旅立ちの夜明け』(2019)

劇場公開された第1期総集編の前編『旅立ちの夜明け』。

劇場版総集編『放浪する黄昏』(2019)

劇場公開された第1期総集編の後編『放浪する黄昏』。

劇場版『深き魂の黎明』(2020年)

劇場版『深き魂の黎明』も動画配信サービスやブルーレイで視聴できます。

マルルクちゃんの日常

劇場版『深き魂の黎明』の特典イラストを映像化した作品『マルルクちゃんの日常』。4話構成で全14分のミニシリーズ。

動画配信に加え、『深き魂の黎明』の限定版ブルーレイにも収録されています。

本編とは直接繋がらない番外編。オーゼンの弟子マルルクの日常(?)が描かれています。

TVアニメ2期(2022年)

2022年9月の記事投稿時、TVアニメの2期『烈日の黄金郷』が放送&配信中。ブルーレイの予約も始まっていました。

動画配信サービスでは、Amazonプライム・ビデオで定額での見放題独占配信だそうです。都度課金なら他のVODでも視聴可能です。

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