Windows用のクリップボード履歴ソフト『CLCL』の設定備忘録・紹介記事です。
「さっきのもう一回コピペしたい」というときに、コピーし直す手間を省いて、履歴からパパッと再貼り付けが出来る便利なソフトです。
ソフト概要
『CLCL(クルクル)』は、クリップボードの機能を拡張してくれるWindows用のフリーソフト。主な機能は「コピーの履歴を表示して再度貼り付けることができる」というもの。
ソフトを起動しておくとクリップボードにコピーした内容(テキストや画像)が保存される。その履歴が表示されるメニューをポップアップで呼び出して貼り付けることができる。
その他にも、よく使う定型文を登録したり、コピーした内容を編集して再度貼り付けたりもできる。
カスタマイズの幅が広いのも特徴。履歴に残す件数やソフト終了時の保存設定、履歴を取らないウィンドウ・形式の設定、メニューに表示する内容、メニューを呼び出すホットキーなどを変更可。
さらに、プラグインによって機能の追加や拡張も可能。公式サイトにてサンプルと各種プラグインをダウンロードできる。
ソフト名 | CLCL(クルクル) |
---|---|
作者 | OHNO Tomoaki |
対応OS | Windows(XP以降) |
バージョン | 2.1.2(2022-05-13) ※2022年9月時点での最新版 |
ライセンス | フリーソフトウェア ※公式サイトに開発支援の寄付受付窓口あり |
「履歴表示のショートカットキー」+「キー1つ」で簡単に貼り付けられるのが便利!
軽快な動作でメモリ消費が少ない(使い方によるが約3~6MB)常駐系のソフトです。
基本的な使い方
CLCLの基本的な使い方(=履歴の表示方法)は、「メニュー」と「ビューア」の2種類。
「メニュー」は、ポップアップで表示される履歴や登録アイテム(自分で設定する定型文)のリスト。履歴をパッと呼び出して貼り付ける場合は、基本こちらを使う。
「ビューア」は、クリップボード・履歴・登録アイテムが表示される2ペインのエクスプローラー風ウィンドウ。履歴や登録アイテムの確認・編集・削除などの各種操作を行える。
メニューの使い方
ホットキーで呼び出して貼り付ける方法
メニューは、設定したホットキー(ショートカットキー)で、マウスカーソルかキャレットの位置に呼び出すことが出来る。
メニューを呼び出した後の貼り付け方法は複数ある。
- 履歴冒頭にナンバリング(数字・アルファベット)されたキーを押す
- ナンバリングキーが重複していないならキー1つで貼り付けも可
- 重複している場合はキーを繰り返し押して対象を選択、Enterキーで貼り付け
- マウスで選択してクリックする
- 上下カーソルキーで選択してEnterキーを押す
最短だと「ホットキー」+「ナンバリングキー」の2ステップでバシッと貼り付けられるのが気持ちいいです👍
メニューを呼び出すホットキーの組み合わせ、メニューに表示する履歴の数、メニューのリスト冒頭に割り振られるナンバリングキーの規則など、諸々の設定はカスタマイズできます。
タスクトレイのアイコンから呼び出す
CLCLを起動しているとタスクトレイに表示されるアイコンからもメニューを呼び出せる。
操作はアイコンの左右クリック・ダブルクリックの組み合わせから選べる。貼り付け操作はホットキーで呼び出した場合と同じ。
ビューアの使い方
ビューアは、ウィンドウの左側にクリップボード・履歴・登録アイテムのリスト、右側にその内容が表示される。
ウィンドウ左側リストの対象履歴を選択して「Enter」もしくは「Ctrl+C」でクリップボードに送る(コピーした状態にする)。
ウィンドウ右側に表示される履歴の内容は、直接編集することができる。プラグインを導入することで、履歴の検索・結合・大文字小文字変換・改行の除去・履歴の一括削除・最前面表示の切替などが可能。
登録アイテム(定型文)の登録もビューアのウィンドウで行える。
ビューアは管理も兼ねている感じです。
単にもう一回貼り付けたい場合は「メニュー」、コピー内容を常時表示したり編集しながら使いたい場合は「ビューア」が便利です。
各種設定
オプションの各種設定やカスタマイズは多岐に渡るので、「メニューの基本設定」「履歴に追加しないいウィンドウ(アプリ)」「登録アイテム用の専用メニューの作り方」だけピックアップ。
メニュー関連
メニューの表示オプション
メニューの表示に関する設定は、オプションの「メニュー」タブから変更可能。
「メニューテキストの表示形式」からナンバリングの規則を変更できる。メニューに表示する履歴と登録アイテムの件数などによって使い勝手が変わると思うので適当に選ぶ。
メニューの呼び出し方と表示項目
オプションの「動作」タブでは、「メニュー、ビューア、オプション、クリップボード監視切替、ソフト終了」を動作させるキーの組み合わせを追加したり編集できる。
メニューの動作を設定する場合は、「呼び出し方法、ホットキー、(クリップボードに送る+自動で)貼り付け、キャレット位置に表示、メニューに表示する項目」などを選択可。
メニューに表示できる項目は「区切り、履歴(昇順・降順)、登録アイテム(昇順・降順)、ポップアップメニュー、ビューア、オプション、クリップボード監視切替、ツール、外部アプリケーション、キャンセル、終了」。柔軟な組み合わせが可能となっている。
履歴だけや登録アイテムだけの専用メニューを作ったりもできます。
外部アプリケーションの呼び出しも出来ますね。
履歴に追加しないアプリを設定
オプションの「ウィンドウ」タブから、ウィンドウ(アプリ)毎に「履歴に追加しない」「フォーカスを設定しない」「ツールをキャンセルしても貼り付けをする」を設定できる。
まずは「ウィンドウ」タブの追加ボタンから「ウィンドウ毎の設定」を開く。次に、対象のクラス名(=ウィンドウやアプリの意)を一覧から選択、あとは好みの設定をチェックすればOK。
例えば、特定のパスワード管理ソフトからコピーしたIDやパスワードを、セキュリティ上の理由からCLCLの履歴に残したくない場合などに使える。
パスワード管理ソフト『KeePass』からコピーしたIDやパスワードを履歴に残したくないので設定しています。
タイトルを空欄にしてクラス名のみ入力することで、タイトル(種類)の違うウィンドウでコピーすることがある特定のソフトを丸ごと履歴に残さないようにできるようです。
登録アイテムと専用メニュー
新しいフォルダと登録アイテムを作成
まずはビューアを開いて、「登録アイテム」を右クリックしてフォルダを作成。
次に、作成されたフォルダを右クリックして「新規作成」を選択。表示されたウィンドウの「追加する形式」でTEXTを選択してOKボタンを押す。
「(TEXT)」と表示された空白のアイテムが作成されるので、登録したい定型文を右側のエリアに入力・コピペする。登録アイテムの名前は定型文そのままだと分かりにくいので、画面左側の一覧から対象を右クリックして「名前を変更」から変更する。
専用メニューを作成
まずはオプションの「動作」タブで追加ボタンを押し「動作の編集」ウィンドウを表示する。
次に「動作:メニュー」、「呼び出し方法:任意」を選択。
あとは、画面左側の「メニュー」に表示されている「(新規作成)」を選択した状態にして、右側の「項目」から「登録アイテム」を選択、「パス」に先程作成したフォルダを指定すれば完了。
作成したフォルダに登録したアイテム(定型文)だけを表示できる専用メニューの出来上がり。
あとがき
CLCLはWordPressでブログ記事を書く時に重宝しています。いくつかのブロックの組み合わせを素早く軽快に貼り付けることができるので便利です。
初公開が20年以上前の老舗ソフトということもあってか、動作は非常に軽いです。履歴の件数や設定などにもよると思いますが、数十件程度の使い方なら消費メモリも10MB以下に収まる感じです。
コピーし直すのを手間に感じていたり、定型文を使う機会が多いなら、CLCLを試してみるのも良いと思います。
類似ソフト
Windows10/11の「クリップボード」
Windows10と11に搭載されているクリップボードの履歴を表示できる機能。
「Windowsキー」+「Vキー」で起動。履歴アイテムのピン留め、デバイス間での同期などが可能。
機能や使い勝手に難があると感じるものの、ライトな使い方なら充分便利なのかもしれません。
Clibor
Mac版もあり。
Clipboard History
Charu3
上記ソフトたちでもCLCLと似たようなことが出来るようです。