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アニメ

【レビュー】TVアニメ『名探偵ホームズ』

4.0
4.0

TVアニメ『名探偵ホームズ』のレビュー・感想記事です。

キャラクターが全部「犬」な冒険活劇作品です。

名探偵シャーロック・ホームズが、悪の天才モリアーティ教授の悪だくみを阻止すべく奔走します。

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基本情報

タイトル名探偵ホームズ 
発表年1984年
製作国 日本、イタリア
話数・時間 全26話(1話24分、30分枠)
ジャンルアクション、冒険、ギャグ
キーワードシャーロック・ホームズ、メカ、スチームパンク、1話完結 

作品概要

『名探偵ホームズ』は、1984年にテレビ放送された30分枠のアニメ作品。基本1話完結。

イギリスの作家アーサー・コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』シリーズが原作。ストーリーはほぼオリジナル、利用されている原作の設定はキャラクターや舞台など。

ジャンルはアクション・冒険。ギャグ要素も含んでいる。原作小説のミステリーや推理の成分は控えめ。

舞台は19世紀末~20世紀初頭(?)のロンドン。お話の形式は、「モリアーティ教授一味が起こす事件を、ホームズとワトソンが阻止・解決する」というもの。

傾向・雰囲気

おもしろさ
(知性、好奇心)
3.5
たのしさ
(娯楽、直感)
4.0
コミカル
(陽気、軽快)
4.0
シリアス
陰鬱、厳重
2.0

基本的に「子供向け」「全年齢対象」な感じでアクションがコミカルに描かれるドタバタ劇。ギャグ要素を含みながらも、わりかし上品。

残酷な描写はほとんどなくて、必ず最後に”正義”が勝つことが約束されている雰囲気。原作小説のような殺人事件は起きない。

悪役のモリアーティ教授一味が起こす事件はたいていの場合「盗み(+それに伴う破壊と誘拐)」。キャラクターに対する直接的な殺傷はしないor未遂に終わる筋書きになっている。

毒気の少ない作品です。

評価

ストーリー3.0
キャラクター4.0
イメージ4.5
サウンド4.0

ストーリーは、当たり障りがない。

キャラクターは原作との差異が大きいが、本作の作風を踏まえて堅実にまとまっている印象。登場人物も多すぎず少なすぎずでわかりやすい。

作画は良い。キャラクターが「走る・跳ぶ」など躍動する様が楽しい。宮崎駿が監督・演出した6編は、特に良いかもしれない。

音関連も良かった。声優はキャラクターイメージに合っていてしっくり。OPとEDのダ・カーポの歌『空からこぼれたSTORY』『テムズ河のDANCE』はなんだか耳に残った。

登場人物が全て擬人化した犬(頭部のみ犬)なのが特徴です。英語版のタイトルは「Sherlock Hound」。作中世界の”犬”はどういう存在になっているのだろう…。

感想・考察

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ネタバレを含んでいることがあります、未視聴の方はご注意ください。

登場人物

出典:名探偵ホームズ | 第10話 ドーバー海峡の大空中戦! | (C)RAI・TMS
左からホームズ、ハドソン夫人、ワトソン。
モリアーティの企みを退けた後、無事に飛んでいる郵便機を見上げる3人。
  • ホームズ
    私立探偵。壮年の紳士で若々しい。
    自室で妙な科学実験をするなど変わったところはあるが真人間。パイプ中毒。
  • ワトソン
    中年の医師。ホームズの相棒。
    人のいいおっちょこちょい。ハドソン夫人にメロメロ。
  • ハドソン夫人
    ホームズとワトソンが住む下宿(ベーカー街221B)の女主人。
    19歳の未亡人。美人で家庭的。本作のヒロイン。かわいい。
  • モリアーティ教授
    知能犯罪(?)を好む盗賊・発明家。
    大小様々なメカを作って犯行に及ぶが詰めが甘い。自称、悪の天才。
  • トッドとスマイリー
    海賊上がりの盗賊。モリアーティ教授の子分。
    小柄でしっかり者の兄貴分トッド。のっぽでおっとりな弟分スマイリー。
  • レストレード警部
    猪突猛進の警察官。警官隊による力技での人海戦術を常套手段とする。
    特別に無能・傲慢・陰険なわけではないが、良くも悪くも噛ませ犬。

本作のホームズはまとも。ハドソン夫人はアイドルだった!

アニメオリジナルキャラクターのトッドとスマイリーは、映画『ホーム・アローン』の泥棒コンビみたいで愛嬌があった。

様式

出典:名探偵ホームズ | 第8話 まだらのひも | (C)RAI・TMS
左からモリアーティ教授、トッド、スマイリー。
飛行船の気嚢を撃ち抜かれてピンチに陥る三人。
ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーが逃げる時に使う3人乗り自転車を思い起こさせる構図。

ストーリーが、ヤッターマンを連想させる様式だった。

毎話「悪役トリオが事件を起こす→探偵コンビがそれを追いかける→悪役はやっつけられるが逃げおおせる」の繰り返し。爆発オチもあった🤣

モリアーティ教授は金目当て(悪の天才としてのプライドも絡む)なので、目論む犯罪は基本「盗み」(そのための破壊や誘拐もやる)。

見どころは「どのようなメカやトリックを用いるか」になっていた。

メカが面白い

出典:名探偵ホームズ | 第5話 青い紅玉 | (C)RAI・TMS
モリアーティ教授の飛行機「プテラノドン」を追うホームズの自動車「プロトベンツ」。

色々なメカが出てきて面白かった。レトロでスチームパンクなSF成分も含まれていた。

乗り物だけでも「自動車、機関車、飛行機、飛行船、気球、蒸気船、軍艦、潜水艦、水陸両用車、etc…」と多かった。その他、モリアーティ教授が発明した奇抜なメカが毎度出てきて楽しい!

時代設定はたぶん19世紀末~20世紀初頭だと思われるので、モリアーティ教授の発明は、史実に照らし合わせるとオーバーテクノロジー。悪党としてはいまひとつだけど、発明家としては一流!

ホームズが乗っている自動車「プロトベンツ」は、ベンツの「ベンツ・ヴィクトリア」が元ネタらしい。

躍動感

出典:名探偵ホームズ | 第3話 小さなマーサの大事件!? | (C)RAI・TMS
列車を追いかけて飛び乗ろうとするホームズ、ワトソン、レストレード。
空中で走ったり、平泳ぎしたり、躍動とギャグが組み合わさった演出が楽しい。

躍動感のあるアニメーションが印象的だった。

全話、大抵のシーンで、ってわけではないのだけど、30分枠のTVアニメとしては作画の質が高いと感じた。

キャラクターたちが走ったり跳んだりする様は、ある種、現実よりも生き生きとしているように見えるから不思議。

『ルパン三世 カリオストロの城』やジブリの宮崎アニメを思い出した。あの躍動感!

まとめ

4.0

『名探偵ホームズ』面白かったです。

ストーリーはお約束の展開が多いものの、毎話いろいろなメカやアクションが登場して楽しかったです。

気楽に楽しめるコミカルなアクションものを観たい場合に良いかもしれません。

視聴方法

定額見放題

2023年8月確認時、『名探偵ホームズ』を定額見放題で配信していたVODです。

Blu-ray

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