
SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 決闘者』のレビュー・感想記事です。
基本情報
タイトル | 銀河英雄伝説 外伝 決闘者 |
---|---|
発表年 | 1999年 |
製作国 | 日本 |
長さ | 26分×4本 |
ジャンル | SF、スペースオペラ |
作品概要
『銀河英雄伝説 外伝』は、本伝以前のラインハルトやヤンを描いた前日譚。
『決闘者』では、アンネローゼの友人を助けるためにラインハルトが決闘の代理人として戦う姿が描かれる。
あらすじ
大尉に昇進したラインハルトは、キルヒアイスと共に帝都オーディンに戻り、転属先である軍務省監察局の内勤に勤しんでいた。
じれったい日々を過ごす中、ラインハルトは姉アンネローゼとの面会の機会を得る。面会にはアンネローゼの友人たちも同席しており、その一人である子爵夫人から、夫が決闘を挑まれて困っているという話を聞く。
武勲を立てられず焦りを募らせているラインハルトは、少しでもアンネローゼの助けになればと、決闘の代理人を引き受けてしまう…。
方向性
おもしろさ (知性・好奇心) | |
---|---|
たのしさ (直感・娯楽) | |
ふんいき (シリアス↔コミカル) | |
むずかしさ (平易↔難解) | |
みごたえ (ライト↔ヘビー) |
評価
ストーリー | |
---|---|
キャラクター | |
イメージ | |
サウンド |
感想・考察


定まらないキャラ
ラインハルトや刺客の”キャラクター”が定まらず合点がいかなかった。
刺客
ベーネミュンデ伯爵夫人の刺客は、第2話では卑怯な手でヘルクスハイマー伯の代理人を殺して「暗殺者」を自称する。なのに、第4話では自らを「決闘者」と称し、果てには誇りのためにクロスボウで自害する。
決闘者としての名誉や強さを真に重んじていたなら、ヘルクスハイマー伯の代理人を卑怯な手で殺せないだろう。雇い主の口封じを恐れていた等の裏事情があったなら、油断して背中を見せたラインハルトをクロスボウで撃っただろう。ちぐはぐだ。
ラインハルト
ラインハルトは第3話の決闘場で、キルヒアイスが提案した作戦を、後ろ指を刺されるような勝ち方では意味がないと否定した。だが、土壇場で「やむを得ない」と翻意、不名誉な戦いぶりを見せる。
結果論では相手は刺客だったわけだが、ラインハルトは勝負直前の段階では相手の殺意を確信していなかった。なのに正々堂々と戦わず、相手に致命傷を与えるかもしれない不安定な初撃を放つ(頭部を掠めている)のは、らしくないと感じた。
矢文の痕跡を隠すための隠蔽工作も、キルヒアイスに見抜かれることを承知していたとしてもあまりに稚拙。外から飛んできたボールで窓が割れた、くらいは言えるはずだ。
ギャグ回?
出典:銀河英雄伝説 外伝 決闘者 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
- キルヒアイスの内心
僕をジークと呼んでいいのはアンネローゼ様だけなんだが…。
たまにはって、いつもおいしいところもっていくじゃないですか…。
(ラインハルト様の精神状態は)重症だな…。 - ヴェストパーレ男爵夫人の雄弁
男勝りというか、毒舌というか。 - ラインハルトの真剣白刃取り
にわかじこみの真剣白刃取りで一発逆転って、もう何でもありだな!
フィクションとは言え、現実的・科学的な理屈から離れ過ぎると興が醒める。
前述の「ラインハルトの稚拙な隠蔽工作&名探偵キルヒアイス」のやり取りも含めて、『決闘者』はコミカルな趣向のギャグ回だったのかな🤔
まとめ
ストーリーもキャラクターもふわふわしていて、「銀英伝が好き」という補正ありでも、つまらない回でした。
ただ、面白くないなりに、なぜ面白くないかを考えさせられて、結果的にはそれなりに楽しめました。