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アニメ

【レビュー/感想】SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 汚名』

4.5
4.5

SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 汚名』のレビュー・感想記事です。

基本情報

タイトル銀河英雄伝説 外伝 汚名
発表年 1998年
製作国 日本
長さ 25分×4本
ジャンル SF、ミステリー、ドラマ

作品概要

『銀河英雄伝説 外伝』は、本伝以前のラインハルトやヤンを描いた前日譚。

『汚名』では、休暇でリゾート惑星を訪れたキルヒアイスが、軍内部に巣食った犯罪組織を捜査する警察に協力し、事件に巻き込まれる様が描かれる。

全編キルヒアイスが主軸の話となっていて、ミステリーと人間ドラマの要素が強い。

あらすじ

キルヒアイスは休暇でリゾート惑星クロイツナハⅢを訪れる。ラインハルトは予定があったため、数日遅れて来ることになっていた。

ホテルに着いたキルヒアイスは、ロビーで暴漢に襲われた老人を救う。その老人は、かつて帝国軍が大敗したアルレスハイム会戦の指揮官カイザーリング退役少将だった。

キルヒアイスは事件の聴取を受けるため警察署を訪れる。そこで、治安責任者のホフマン警視から事件の背景を知らされる。暴漢の正体はサイオキシン麻薬中毒の軍人で、事件の背後には軍内部の麻薬組織が関係しているという。

警察の捜査が及びにくい軍内部の組織を撲滅するため、警視はキルヒアイスに捜査協力を要請するのだった。

方向性

おもしろさ
(知性・好奇心)
 4.0
たのしさ
(直感・娯楽)
4.0
ふんいき
(シリアス↔コミカル)
3.5
むずかしさ
(平易↔難解)
3.5
みごたえ
(ライト↔ヘビー)
4.0

評価

ストーリー3.5
キャラクター4.5
イメージ4.0
サウンド4.5

エンディングも良かったです。ぽつねんとするキルヒアイス、エンディングテーマ『逝くとき、祝うとき』も染みました。

感想・考察

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ネタバレを含んでいることがあります、未視聴の方はご注意ください。

悪役のお約束!

銃を構えるバーゼル

出典:銀河英雄伝説 外伝 汚名 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
少しは工夫を凝らさんと長生きできんぞ

バーゼル退役中将のステレオタイプな悪役っぷりが良かった。

『白銀の谷』に登場したフーゲンベルヒ大尉を彷彿とさせる”語るに落ちる”が様になっていた。

結果的にはホフマン警視とキルヒアイスが仕掛けた罠だったわけだが、バーゼルの立場からすれば素早く口封じをすべきだった。ところが、優位に立つと更に饒舌になって気を逸した。

その一方で、観念したかに見せかけた後に悪辣なしぶとさを発揮するなど、一筋縄ではいかないところもあっていい悪役だった。

ミステリー作品での定番、事件の真相を暴く(語る)解決編での演出!ありがちだけどイイネ👍

いい味ホフマン警視

犯人を追い詰めるホフマン警視とキルヒアイス

出典:銀河英雄伝説 外伝 汚名 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
あいにく、中の様子はこれで諜っていました

ホフマン警視がいい味をだしていた。探偵役のキルヒアイスにもマッチするコメディリリーフだった。

おっとりしているようで抜け目なく、軽薄なようで思慮深くもあった。柔和でコミカルなキャラクターが、物語の雰囲気にメリハリを与えていた。

石坂浩二の金田一耕助シリーズに登場する等々力警部など、推理ミステリー作品に出てくる”警部キャラ”を連想した。バーゼルを追求するシーンでしっかりミステリーの醍醐味を演出していたのも印象的。

キルヒアイスへの要請は、組織を探るために彼を囮にする危険なものだった。二酸化炭素中毒を狙ったガス攻撃、バーゼルが仕掛けた罠による5人組からの襲撃、果ては盗聴装置を身に着けさせての捨て身の証拠収集。

キルヒアイスが無事だったのは、ずば抜けたフィジカルと強運があったからで、冷静に考えると無茶苦茶だった。なのに、事が済んだ後に「いや~、危ないところでしたなあ」みたいな感じでホフマン警視が現れると、なんか収まっちゃうあたりの予定調和が面白かった🤣

2話あたりではホフマン警視こそ黒幕ではないのかと疑ったけど、全然違っていた。ミスリード要員としても機能していたのかも(深読みし過ぎたか)。

撃てないキルヒアイス

引き金を引けず俯くキルヒアイス

出典:銀河英雄伝説 外伝 汚名 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
撃てない…

キルヒアイスはヨハンナを撃てなかった。

ヨハンナは情に生きた人だった。キルヒアイスの心中では義と情のせめぎ合いが起きたが、情がヨハンナを撃たせなかった。一方でカイザーリングの情は彼に引き金を引かせた。

情が撃たせなかったし、撃たせもした。情の奔放さは不信と暴乱の温床にもなるため、人は厳格な義も必要とする。

ラインハルトなら躊躇しながらも引き金を引いたはずだとキルヒアイスは考えた。情を持ちながらも確固たる義を貫けるラインハルトと、義を重んじながらも情に絆されるキルヒアイス。二人は性根においても弱点を補い合う良いコンビなんだろう。

まとめ

4.5

濃厚なキルヒアイス回で面白かったです。

事件の真相がキルヒアイスに自身の人間関係を再考させるストーリー構成が見事で、ミステリー&ドラマとしても見応えがありました。

銀英伝の時系列では『汚名』の続きが本伝第一話「永遠の夜の中で」になるのだそうです。次回予告に、外伝よりもちょっと古めかしい絵柄のラインハルトとヤンが映っていて感慨深かったです。

原作小説

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