SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 叛乱者』のレビュー・感想記事です。
基本情報
タイトル | 銀河英雄伝説 外伝 叛乱者 |
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発表年 | 1999年 |
製作国 | 日本 |
長さ | 26分×4話 |
ジャンル | SF、スペースオペラ |
作品概要
『銀河英雄伝説 外伝』は、本伝以前のラインハルトやヤンを描いた前日譚。
『叛乱者』では、中尉に昇進したラインハルトの赴任先、駆逐艦ハーメルンⅡにおける戦いが描かれる。
あらすじ
惑星カプチェランカにおける功績から、ラインハルトは中尉に、キルヒアイスは少尉に昇進。宇宙艦隊勤務に就くことができた。
赴任先の駆逐艦ハーメルンⅡでは、貴族の出の艦長アデナウアー少佐が、乗員からの支持も厚い平民の出である副長のベルトラム大尉に指揮を任せていた。
着任からほどなくして、ラインハルトは、軍内部においても優遇される貴族のことをおもしろく思わない乗員たちから腕試しを挑まれる。その勝負の最中に不穏な気配を感じとったラインハルトは警戒を強めるのだった。
方向性
おもしろさ (知性・好奇心) | |
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たのしさ (直感・娯楽) | |
ふんいき (シリアス↔コミカル) | |
むずかしさ (平易↔難解) | |
みごたえ (ライト↔ヘビー) |
評価
ストーリー | |
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キャラクター | |
イメージ | |
サウンド |
艦隊決戦などの派手な戦闘はないものの、宇宙空間での危機一髪に立ち向かうスペクタクルは見てて楽しいです。
感想・考察
危険な艦橋
出典:銀河英雄伝説 外伝 叛乱者 Kap.Ⅱ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
銀英伝の様式美、安全を無視した雰囲気重視の艦橋。やっぱこれだね!
今回の舟は駆逐艦ということで大型艦に比べると控えめだろうが、艦橋はやはり見た目重視のデザイン。だだっ広い空間に、前方・左右・上面に広がるスクリーン、指揮官用の椅子が据えられたひな壇。
艦長が背後で起きた爆発で椅子から放り出され負傷するシーンを見て、シートベルトの大切さを再認識した。ラインハルトもこの艦橋デザインについては指摘しないのよね🤣
戦闘機能重視の狭っ苦しい艦橋だと、キャラクターに大仰な演説や身振り手振りの演技をさせても様にならないから、絵面の都合上こういうデザインになってるのかな?
玉虫色の色めがね
出典:銀河英雄伝説 外伝 叛乱者 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
艦長の含蓄ある台詞が印象に残った。
人間というのは不便なものでね。
出典:銀河英雄伝説 外伝 叛乱者 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
誰も皆、互いの身分、立場、肩書といったものから自由ではいられないものだ。
常に先入観や偏見のフィルターを通してしか他人を見ることができない。
艦長の人柄は、優れた軍人でもなければ、怠慢な無能貴族でもなく、柔和でバランスに優れる賢人だった。
副長の信念は、味方を死に追いやる傲慢であり、自己犠牲を厭わない高潔でもあった。
副長の「お前さえいなければ!(バキューンッ)」後の処遇と展開にはモヤモヤ感が残ったのだけど、指揮権争奪戦の混乱と、人格の多面性を描くという演出で考えると悪くないのかも。
本性は容易く見抜けないし、見る方向や角度、置かれた状況によって色合いを変える。ラインハルトの人を見る目はこのように養われていき、人心掌握、適材適所に活かされていくのだろう。
まとめ
覇道に必要となるものに着目し、成長していくラインハルトの様が描かれていて面白かったです。