SFアニメ『銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷』のレビュー・感想記事です。
基本情報
タイトル | 銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷 |
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発表年 | 1998年 |
製作国 | 日本 |
長さ | 26分×4 |
ジャンル | SF、スペースオペラ |
作品概要
『銀河英雄伝説 外伝』は、本伝以前のラインハルトやヤンを描いた前日譚。
エピソード『白銀の谷』では、幼年学校を卒業して前線に赴任したラインハルトとキルヒアイスの初陣が描かれる。
あらすじ
幼年学校を卒業したラインハルトは、前線への配属を希望して極寒の惑星カプチェランカにキルヒアイスと共に赴任した。
皇帝の寵姫として帝国に囚われている姉アンネローゼを救うために、成り上がろうと意気込む2人。
しかし、その背後では、皇帝の寵愛を受けるアンネローゼに嫉妬したベーネミュンデ侯爵夫人によるラインハルト暗殺計画が動いていた…。
方向性
おもしろさ (知性・好奇心) | |
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たのしさ (直感・娯楽) | |
ふんいき (シリアス↔コミカル) | |
むずかしさ (平易↔難解) | |
みごたえ (ライト↔ヘビー) |
評価
ストーリー | |
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キャラクター | |
イメージ | |
サウンド |
キャラクターとナレーションの声、オープニングやエンディングも含めたサウンド全般がイイ👍
本伝視聴時の思い出補正が大きいのか、なんだかしっくりきます。
感想・考察
キルヒアイス回
出典:銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷 Kap.Ⅱ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
「ラインハルト、キルヒアイス、アンネローゼ」の3人に関するキルヒアイスの視点での回想や心理描写が多くて印象に残った。
戦車にふたりぼっちでの偵察ということもあってか、キルヒアイスがいろんな表情でラインハルトを見つめるシーンがやけに目についた。
キルヒアイスがラインハルトに向ける眼差しには忠誠・尊敬・友情と様々な感情が存在するだろうが、その背景にあるアンネローゼへの恋慕も小さくなかった。初恋のお姉さん!
無二の親友であり、忠実な家臣であり、背中を預け合う同志であり、純愛に生きた男だった。キルヒアイスのキャラに深みが増した。
冥土の土産
出典:銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷 Kap.Ⅲ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
中ボスのフーゲンベルヒ大尉による死亡フラグの立て方が鮮やかだった。
主役を活躍させるために敵役を無能にする古き良き(悪しき)定番の演出。完全無欠は無理があるので、無能な一部分を突く程度なら分からなくもない。しかし、総じて酷いと呆れて興ざめしてしまう。
でもなんだか、久しぶりに見たような気がして、「語るに落ちてないでさっさと撃たんかい!」ってツッコミを入れられるのが楽しかった。
器と品
出典:銀河英雄伝説 外伝 白銀の谷 Kap.Ⅳ|(C) 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー
カプチェランカにおけるラスボスのヘルダー大佐は分かりやすいクズであり、不甲斐ない最期を迎えた。なんだか憎みきれないキャラだった。
戦いに疲れ、家族がいる安全な内地に帰りたい一心で悪事に手を染め、失敗すると大逆罪による処罰を恐れて発狂し、結果死ぬ(事故か自殺か…、半々かな)。
ラインハルトは、負傷して降伏し命乞いしたフーゲンベルヒを、アンネローゼを侮辱したからという理由で撃ち殺している。キルヒアイスも止めなかった。
ヘルダーとラインハルトの器と品の差は歴然としているが、行動原理は感情と欲求でどちらも同じ。弱肉強食で諸行無常な生存競争。
まとめ
派手な艦隊戦もなく、ストーリーの面白さはまあまあでしたが、結構楽しめました。