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本・読書感想

【漫画紹介】シティハンターの世界に転生!スピンオフ作品『今日からCITY HUNTER』 著:錦ソクラ

4.0

4.0

北条司の漫画『シティハンター(CITY HUNTER)』のスピンオフ漫画作品『今日からCITY HUNTER』のレビュー・感想を兼ねた紹介記事です。

シティハンターの世界に女子高生として転生した主人公が、記憶喪失の依頼者という体で「冴羽リョウ&槇村香」のアパートに転がり込んで…!?

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作品情報

  • タイトル:今日からCITY HUNTER
  • 著者:錦 ソクラ(にしき そくら)
  • 原作:北条司『シティハンター』
  • 掲載誌:コミックゼノン
  • 連載開始年:2017年(2020年/連載中)
  • ジャネル:ドラマ、ファンタジー

『今日からCITY HUNTER』は、2017年からコミックゼノンで連載されている『シティハンター』のスピンオフ漫画作品。

2020年5月時点だと連載中、単行本は6巻が最新刊となっている。

コミックゼノンの公式アプリ「マンガほっと」で(制限はありますが)無料配信されています(2020年5月時点)。
配信サイト各所で試し読みもできますし、ツイッターの北条司公式アカウントに第1話が掲載されているのでチェックするのもいいでしょう。

あらすじ

青山香、40歳、独身。高校生の頃に出会った『シティーハンター』の冴羽獠に夢中な彼女は、ある日電車に轢かれてしまった…。 と思いきや、目を覚ました彼女はなぜか高校生の姿に。見慣れぬ風景に戸惑う彼女に前に現れたのは、『シティーハンター』冴羽獠と槇村香だった…!

出典:今日からCITY HUNTER【公式】|転生したらシティーハンターの世界でした。

もうちょっと突っ込んだ説明。

主人公の「青山香(現実世界の名前)」こと「西園寺沙織(転生先での名前)」は、記憶喪失の依頼者という体で「冴羽獠(リョウ)」&「槇村香」のアパートに転がり込み、ひとつ屋根の下で暮らしていくことになる。

主人公が転生した”原作の時代設定”は、海坊主のパートナーとなる「美樹」と「喫茶店キャッツ・アイ」が登場するエピソード(159話)あたり。そこから原作の流れに沿って物語が展開していく。

転生した主人公は、間近でシティハンターの世界を体験できる絶好のポジションに落ち着きます。いいなあああッッ!!

違和感がなくて読みやすい

絵柄が似ている

『今日からCITY HUNTER』第九話より

第9話より「リョウと海坊主の対決」 自身の干渉により作中の物語が変化したことに戦慄する沙織

出典:錦ソクラ | 今日からCITY HUNTER 2巻 | 第9話 | コアミックス

まず絵柄について。

この手のスピンオフ作品は絵柄が原作と大きくかけ離れていると、どうしても違和感があってしっくりこなかったりする。

しかし、本作は絵柄が原作に近い。さらに著者の画力も高いため、読み始めの”コレジャナイ感”がなくて読みやすい。

また、原作の登場人物たちの「キャラクター(性格)」も改変されておらず原作準拠。オリジナルのストーリー展開となった場合にも、「きっと◯◯ならこうするはず!」というあたりを押さえていると思う。

一部、構図や体つきがおかしいところはありましたが、全体的に画はかなり良い感じだと思います。
男キャラのガタイがよすぎてキャプテン翼みたいになっていたり、通路の高さ・幅に対してやけにキャラが大きいところもあったなあ。
私の目線だと女性キャラのスタイルがいいのに、つい目がいってしまいます(ノ∀`)アチャー

構成のバランスがいい

『今日からCITY HUNTER』第一話より

第1話より 香の100tハンマーも炸裂(≧∇≦)/

出典:錦ソクラ | 今日からCITY HUNTER 1巻 | 第1話 | コアミックス

原作の『シティハンター』は、(少年漫画の許容範囲内で)ハードボイルドを中心としながら「アクション、シリアス、ギャグ、ラブコメ」といった要素を含んでいたが、本作もそれらがバランスよく配合されている印象。

リョウや海坊主のカッコよさ、胸にグサッと来るシーン、「りょう&香」「海坊主&美樹」によるお決まりのイチャイチャなんかも見れるので、原作ファンならニヤニヤできるはず!

また、原作が連載されていた時代や本作のターゲット層も想定してなのか、1980年代~90年代の映画「ターミネーター」シリーズのパロディなんかもあって面白かった。

パイソンがバイクに乗ってショットガンを撃つシーンは「ターミネーター2」のシュワちゃん。ミニクーパーから転げ落ちるところは「T1000」。

重すぎず軽すぎず、いい塩梅!「もっこり」もあるよ!

娯楽成分たっぷりでついニヤついてしまいますなあ(`ω´)グフフ

結末を想像してみる

『シティハンター』の様式美(お約束)は、『依頼者のSOS「XYZ」受けて冴羽リョウが彼なりのスタイルでトラブルを解決に導く』、というもの。リョウは依頼者自身が問題を解決/克服するためのきっかけを作って手助けしてくれる。

本作の主人公「西園寺沙織」こと「青山香(40歳・独身・派遣社員)」は、一時期は漫画家を目指していた女性。異世界転生もののお約束はよく知らないけど、このままシティハンターの世界にいてもハッピーエンドではないだろうから(あるいはハッピーなのか?)、最後は現実世界に戻るのだと思う(現実での死は直接描写されていない)。

沙織が9話でのリョウと海坊主の対決後に「今思えば…」と独白するあたり、実は現実世界で死んでいない事を予感させる(別の線としては、あの独白は「本当の恋=ダブル香(青山香VS槇村香)」による恋愛バトルへの布石?)。

ターミネーターのパロディ回を読んでからは、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ラスト・アクション・ヒーロー』を思い出して、あんな風に「現実⇔異世界」を行き来できるようになるんじゃないかと考えている。

『ラスト・アクション・ヒーロー』(1996年のアメリカ映画)
映画好きの少年が魔法のチケットで映画世界の中に入り込む。
映画の中のヒーロー(シュワちゃん)は必死のダメージを受けてもノーダメージで無敵だが、現実世界に来ると普通にダメージを受けて痛がったり死にかけたりする。
ラスト・アクション・ヒーロー - Wikipedia
ラスト・アクション・ヒーロー (字幕版)
ダニー少年はアクション映画のヒーロー、ジャック・スレイターの大ファン。ある日老映...

リョウや海坊主が現実世界に来て”ご都合展開”のない厳しさを味わったりなんていうのも面白そう。でも、彼らなら現実世界でもきっと!
コブラはLAHの悪役ベネディクトっぽくもあるかも。あの義眼とか。

主人公は高校生として、百合華は小学生として転生した点を考えると「もう一度やり直したい」という年齢、或いは単に望む姿でシティハンターの世界に現れているのかも。現実世界で死にかけた人(意識を失った/昏睡状態)がシティハンターの世界にやってきているのか?

転生者の共通項や転生の法則があるとするなら、”CHの世界を体験する”以上の面白い展開がより増えそう。本作に登場するオリジナルキャラクターも実は現実世界との関わりがあるように思える(悪役を望む転生者 / 他作品から転生してきたキャラクターなど)。

いずれにしても、主人公「沙織」には、リョウ・香・海坊主・美樹・冴子らCHキャラの助けを借りて現実に戻って、もう一度漫画家を目指すなり別の生き方を模索するなり、ワンチャンスあるといいなと思う。

想像が捗る作品はいい作品だ。

エンジェルハートみたいに香が死ぬ設定のパラレルワールドは嫌なのです!かといって、夢オチは虚しいし…、お願いしますソクラ先生!

まとめ

『シティハンター』は、原作漫画を床屋さんで読破し、TVアニメシリーズを3~4周以上は見たことのある大好きな作品です。原作続編の『エンジェルハート』は(パラレルワールドという体らしいが)、「槇村香が死ぬ』という設定が嫌すぎてまともに読んでも見てもないです。

そして、今回のスピンオフ作品『今日からCITY HUNTER』もかなり面白かったのです。続きが楽しみ!

2019年に公開された『シティハンター』のアニメ劇場版『新宿プライベート・アイズ』も良かったので、『今日からCITY HUNTER』もアニメ化にちょっと期待しています。

「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」公式サイト
最強の敵と、最後の戦いへ- 「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト...

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今日からCITY HUNTER(144話無料) - 錦ソクラ
青山香、40歳、独身。高校生の頃に出会った『シティーハンター』の冴羽獠に夢中な彼...
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