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レビューAndroid

ローグライク+カードバトルなRPG『クトゥルフと夢の階段』

出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所
4.0

インディーゲーム『クトゥルフと夢の階段』のレビュー・感想・紹介記事です。

クトゥルフ神話TRPGを題材とした「ローグライク」+「デッキ構築カードバトル」なRPG作品です。

振り返ることは許されない!敵を倒し、カードを集め、装備を整え、狂気と悪夢が跋扈する深淵の闇を進むのみ!その先には……。

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基本情報

タイトルクトゥルフと夢の階段
公開2020年
開発ひとりTRPG製作所
ジャンルRPG
キーワードクトゥルフ神話TRPG、カードゲーム、デッキ構築、ローグライク、ホラー、コミカル、運ゲー
プラットフォームAndroid、iOS
価格無料(広告あり、アプリ内課金あり)

作品概要

『クトゥルフと夢の階段』は2020年公開のインディービデオゲーム。プラットフォームはAndroidとiOS。

ジャンルは「ローグライク」+「デッキ構築カードバトル」なシングルプレイRPG。クトゥルフ神話TRPGを題材としている。

ゲーム内容はローグライクなシングルプレイのRPGです。TRPGのようなゲームシステムではありません。

クトゥルフ神話TRPGのホラー、ダイスでの成否判定、SAN値、不条理なネタ要素が含まれている感じです。

ゲームシステム

基本システム

メインメニューの初期能力値レベルアップ画面。プレイするたび少しずつ強くなる!
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

ゲーム進行の基本は、テキストの選択肢を選びながらひたすら階段を下っていくというもの。

1階下る毎にランダムに遭遇する各種イベントを突破して深層を目指す。どこまで進むことが出来るかというローグライク的な要素が強い。

ゲームオーバーになると進行度はリセット。1階に戻されて、プレイ中に獲得した全てのカード、成長した能力値を失う。装備も1つを除いて失う。

例外なのが、初期能力値をレベルアップするための成長ポイント。このポイントは引き継ぐことができ、メインメニューで任意の初期能力値を強化することができる。

初期能力値の強化によってプレイするたびに強くなれます。
深層になるほど敵の強さがインフレしていくので能力値もしっかり強化してきたい!

成長ポイントは課金(リアルマネー)で購入できるようにもなっています。

ステータス

能力値(ステータス)と装備
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

キャラクターの基本ステータスは、HPとSAN、6種類の能力と3つの装備枠で構成される。

  • HP(生命力)
    RPGで定番の生命力、0になるとゲームオーバー
  • SAN(正気度)
    低下すると様々なペナルティが発生して事実上の死
  • STR(腕力)
    近接武器の攻撃力
  • INT(知性)
    解錠確率と魔法攻撃力
  • DEX(敏捷性)
    弓・銃の攻撃力、回避スキルの防御力
  • CON(体力)
    最大HPと防御スキルの防御力
  • POW(精神力)
    最大SAN値とSANチェック判定に影響
  • ENE(行動力)
    戦闘時、1ターン毎に使えるカードのENE値
  • TRINKETS(装備)
    戦闘時の能力値補正やその他特殊効果がある。任意に変更可。

6つの能力値は、戦闘以外にも各種イベントの成否判定に影響を及ぼす。振り直し不可。

戦闘やイベントの報酬「カードの獲得」でカードの代わりに入手・成長させることができる。前述したように、プレイ中に成長した分はゲームオーバーするとリセットされる。

クトゥルフ神話TRPGでおなじみのステータスです。

戦闘システム

敵は階層が深くなるほど強くなっていく。HP管理とデッキ構築は慎重に!
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

戦闘システムはターン制のカードバトル。山札(構築したデッキ)からランダムに選ばれた手札のカードを使って攻撃・防御などを行い、敵のHPを0にして倒す。

戦闘時、1ターン毎に山札から4枚のカードが手札に配られる。手札のカードは、ターン中の使用の有無に関わらず、ターン終了時に「使用済みカード(山札から除外される)」となる。

山札はカードを全て使い切るとリセットされて補充される。

カードの種類は、「攻撃(武器)」「防御(防具)」「回復」「状態異常(良くも悪くも)」「能力強化(戦闘中のみ)」「特殊(追加でカードを引く等)」など様々。プレイヤーの能力値が効果に影響を及ぼしたりする。

戦闘システムは割りとスタンダードなカードバトルです。

戦闘を回避する「逃げる」選択肢はありません。負ければゲームオーバー、勝てばカード・お金・経験値などが手に入ります。

カードとデッキ

欲しいカードはなかなか手に入らない。カードを引く機会を貪欲に求めていきたい。
出典:クトゥルフと夢の階段 DreamStairs

カードは戦闘やイベント、武器屋・防具屋で買って入手できる。入手機会は多いが選択肢に選ばれるカードは基本ランダム。欲しいカード、強いカードを引けるかは運次第。

カードは、戦闘に勝利した後の宝箱から入手できる機会が特に多い。宝箱には罠が仕掛けられている事もあるので、罠の解錠に挑むか諦めるかの選択も重要だ。

デッキに加えるカードは厳選したい。初期デッキの弱いカードは深層攻略では足枷になる。
出典:クトゥルフと夢の階段 DreamStairs

デッキ構築で覚えておきたいポイントは「カードをデッキに加えるのは簡単だが、捨てるのは難しい」ということ。

獲得したカードを捨てる(デッキから除去する)には、特定のイベントを引き当ててお金を払う必要がある。

必要性の低いカードを際限なくデッキに取り込み続けると、引きたいカードをなかなか引けなくなって手札事故が起きやすくなり、結果的に弱くなったりもする。デッキ構築は難しく悩ましく面白い。

限られた選択肢の中で最善を求めてデッキ構築するのが楽しいです!ただ、欲しいカードを引けるかどうかは運ゲーなので悩ましい🤣

イベント

待ち受ける不条理イベントの数々!多種のイベントが用意されていて楽しい。
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

イベントは1階下る毎にランダムに発生する。どのイベントを引き当てるかは運!

  • 戦闘
    モンスターとの戦闘(不可避)。その他、選択肢によっては回避も可能な戦闘イベント。
  • 集落
    宿屋、武器屋、防具屋、酒場、道場などがある。HP回復、カード取捨、装備強化などが可能。
  • 各種の不条理イベント
    良くも悪くも多種。選択肢を選んだり、能力値で判定したり、超絶理不尽だったりと様々。
  • ボス戦
    特定の階で必ずボスとの戦闘になる。ボス戦対策も攻略の肝になっている。
  • 広告
    広告が再生される。視聴後の選択肢でSAN値を回復できる。
集落の武器屋。装備を買ったり、アップグレードで強化できる。お金の管理も大事。
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

各種のイベントを見るのも本作の醍醐味です。

初プレイ時や序盤攻略中は、次々に現れるイベントが楽しかったです😆

傾向・雰囲気

狂気のイベントの数々でSAN値が削られていく!発狂は事実上のゲームオーバーだ。
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所
おもしろい
(知的、好奇心)
4.0
たのしさ
(娯楽、直感)
4.0
コミカル
(陽気、軽快)
4.0
シリアス
陰鬱、厳重
3.0

基調はホラーなのだが、実際はコミカル成分を多分に含んでいて、グロとか恐怖成分は大したことない。

クトゥルフ神話TRPGや時事ネタ等、独特なセンスのジョーク等を含む”ネタ”が散りばめられている。

負荷の軽いゲームで動作は軽快。発熱が少なく電池消費も特に多くない。低スペックのタブレットPC『Fire HD8 Plus(2020)』でもサクサクプレイできた。

音や画像の大きな変化で驚かせる系のホラー演出もほぼないです。

個人的にはホラーよりもコミカルの印象が強かったです。

評価

キャラクターの言い回しに独特のセンスが光る!
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所
ストーリー3.0
キャラクター4.0
イメージ3.0
サウンド3.0
ローグライク4.0
カードバトル3.5

ストーリーの印象は希薄で程よいホラー。イメージは汎用素材が多用されていながらもそのチョイスが独特だった。サウンドは特に違和感のない雰囲気。

各種のイベントに登場するキャラクターは、個性的だったり、狂気的だったりして愉快。クスリと笑わされることが多かった。

ゲームはランダム性が強く、ローグライクな面白さが際立っていた。運ゲー要素が強く、プレイングの工夫で対処できない事もままあった。その辺りの不条理感は、モチーフのクトゥルフ神話TRPG的でもある。

カードバトルは、ゲーム序盤は色々な構成を組めて楽しい。ある一定以上の階層まで進むと、敵のHPや攻撃力がインフレするので、対処可能な戦略・戦術は限られて作業感が出てくる。

用意された”ゲームクリア”が存在しない「終わりのないゲーム」です。

プレイし始めはイベントを楽しむアドベンチャー。ゲームに慣れてきたらデッキ構築を楽しむカードバトル。終盤はどこまで進めるか挑戦するやりこみ!って感じです。

攻略メモ

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ネタバレを含んでいることがあります、未プレイの方はご注意ください。

ステ振り

100階までの攻略ならステ振りは無軌道でも特に腐らない。メインで使う攻撃手段に合わせてSTR・INT・DEXの何れかを中心に伸ばせば戦いやすい程度。

200階以降に挑む場合はINTを上げて宝箱からのカード・お金・装備回収を安全確実にしないと厳しい。罠のネガティブカードを引くと痛すぎる。INT34なら100%の確率で罠を解除できる。

INTばかり高いと「読んではならない本」のイベント判定に失敗して詰むこともあるため、POWも同等以上に上げる必要がある。発狂も防がねば!

CONも一撃死を防いだり、ダークサイドのためにある程度は必要。ENEは6以上あると、インスピレーション後の戦略・希望・プリザーブが腐りにくくなるなど、総合的な選択肢が増えて安定する。

Wikiが作られていて各種のイベントやデータ関連がまとめられているので、やり込む場合は確認しておくと良いかも。

OTK戦術になる

ENEを貯めてヘルギガントで殴るのだ!
出典:クトゥルフと夢の階段 | 2020 | ひとりTRPG製作所

200階、300階と進んでいった結果、デッキはALL武器でのOTK(ワンターンキル)に特化することになった。

300階以降の敵はHPがやたら高く、攻撃力はCONや防具で耐えにくい即死級になってくる。

300階以降で使ったデッキは「鍛えたヘルギガント×1~2本、プリザーブ×1、希望×1~2に、ドロー用のインスピレーション×適当、ENE補充のダークサイド×適当、敵の行動をキャンセルする戦略×なるべくたくさん」だった。

やめ時

366階までプレイして満足したので”ゲームクリア”とした。

プレイし始めは数分であっさり死んだりして1ゲームあたりの時間は短い。レベルアップを重ねると1ゲームが数十分以上になっていた。長時間プレイの末に操作ミスで死んだ時の切なさは一入😭

イベントやボス戦を一通り満喫して戦略・戦術が固まると、その後の深層攻略は”冒険”というより”作業”の感が強い。

良く言えば「繰り返し遊べるやりこみ要素」、悪く言えば「中毒性」の強いゲームなので、時間を浪費しないように気をつけたい。

200階まで到達したなら、ゲームの戦略・戦術要素を概ね楽しめたと言えそうだ。

まとめ

4.0

『クトゥルフと夢の階段』面白かったです。

ローグライクとデッキ構築カードバトルが合わさったゲーム性に、クトゥルフ神話TRPGをモチーフとしたネタ要素が盛り込まれていて楽しかったです。

短ければ数分、長くなっても中断・再開して遊べるのでスキマ時間にもぴったり!ちょっと頭を使うゲームをしたい時などに良いかと思います。

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