【読書感想/レビュー】密閉教室 | 著:法月綸太郎

教室の床タイルと机

法月綸太郎の推理小説「密閉教室」の読書感想&紹介記事です(記事の一部にネタバレ考察が含まれるので未読の方はご注意を)。

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作品情報

  • タイトル:密閉教室
  • 著者:法月綸太郎
  • 出版社:講談社
  • 初版発行:1988年
  • ジャンル:ミステリー、推理小説、探偵小説、学園もの、

あらすじ

ドアも窓も内側から固く閉ざされた早朝の教室で遺書と共に高校生の死体が発見されるのだが、奇妙なことにその教室に前日まであったはずの四十八組の机と椅子が全て消えていた。

自殺か他殺か、なぜ机と椅子が消えたのか、級友の死の真相に迫ろうと果敢に挑む高校生「工藤順也」であったが…。

主人公は(探偵気取りの)高校生「工藤くん」(≧∇≦)/

作品内容

概要

舞台は共学の高等学校「湖山北高校」、時代設定は出版年や内容からすると1980年代あたり(?)。

教室で見つかった級友の死体を巡り、「消えた机と椅子の行方と理由」、「自殺か他殺か」という二つの謎に推理小説フリークの主人公「工藤順也」が挑むのだが、校内スキャンダルや生徒たちの恋愛模様なども絡まり、事件の謎は深まっていく。

学園推理小説といった感じの雰囲気でドラマチックな展開も楽しめました。

構成

章が細かく分けられていて、それぞれにサブタイトルが付いている作りのため、小気味よく読むことができて良かった。

単に「1、2、3…」とナンバリングされている小説は多いが、ここまで細かくタイトルが付けられている作品を読むのは初めてで面白かった。

目次を見た時はサブタイトルの多さに「えっ!?」と驚きましたが、「この章では、このタイトルに因んだ話が展開される」というのが先に分かるので、意外と読みやすかったです。

ネタバレ考察

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机と椅子の消失とその理由についてや、遺書のコピーに関連するトリックはしっかりと理にかなった形で解明されるので気持ち良い。だが、二転三転する「真犯人」については結局「謎」のままで終わるので気になった。

隠蔽工作を実行した大教官室の教師たちには明確な動機がなさそうなので、容疑者は犯行が可能で(殺害時刻に学校にいた)動機もありそうな生徒4人になりそう。

  • 工藤順也:犯行も可能で、吉沢に気がある?(=中町が邪魔だった?)
  • 降旗透:凶器のカッターナイフの持ち主で犯行も可能、かつ梶川に気があるので「吉沢」犯人説を主張?
  • 吉沢信子:犯行可能で被害者の中町と痴情のもつれあり、さらに中町に後頭部への打撲を負わせ放置したことを自供
  • 梶川笙子:犯行可能で中町と痴情のもつれがあり、”魔性”属性を持っており降旗を操った可能性も?

最後のあとがき(コーダ)は、文末の「かしこ」から女性が書いたもの(=吉沢or梶川)となるだろうが、内容的には送り主の想いに「応える気がない」という事だけなので決め手に欠ける。

想像は色々できるけど情報不足で根拠に欠けるので、推測の域は出ない感じ。しかし、このドロドロ具合からすると、吉沢と梶川の共犯説なんていうのもありかも?

ただ、事件に用いられた「トリック」「謎解き」に関してはフェアな結果となるので、読者の想像に余地を残すこの終わり方は結構好きだったりする。

まとめ

★★★☆☆

登場人物の高校生たちが随分と利発で大人びてもいるので、読み始めは作中の雰囲気に飲まれてしまっていましたが、慣れてしまえば味があって面白かったです。

ジャンルとしては「新本格ミステリ」と呼ばれる類の推理小説で、謎解きのためのヒントが作中にフェアに提示され論理的に解決へと導かれるため、解決編前にトリックの看破に挑戦する読み方も楽しいです。

ただ、ちょっと残念だったのは、登場人物たちの人物像に関する掘り下げというか情報が不足していて、最後の詰めの推理・推測・想像が捗りにくかった点でした。

学園を舞台に高校生素人探偵が奮闘し、お約束のどんでん返しもあるので、その辺りの要素に興味があるなら楽しめそうな作品でした。

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となはざな

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