【読書感想/紹介】ホラーなミステリ短編小説集『赤い部屋異聞』 著:法月綸太郎

3.5

法月綸太郎の短編小説集『赤い部屋異聞』の読書感想・紹介・レビュー記事です。

タイトルにも含まれている江戸川乱歩の著作『赤い部屋』を筆頭に、ホラーやオカルト系のミステリー作品をオマージュした短編が9つ収録されています。

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作品情報

タイトル 赤い部屋異聞 
著者法月綸太郎  
出版社KADOKAWA  
初出2019年  
ページ数(単行本) 254
価格(Kindle)1,782円(税込) 
キーワード 短編集、ミステリー、推理、オカルト、ホラー

作品概要

短編小説が9編収録。ジャンルは広義の「ミステリー」になると思うが、要素として「ホラー、オカルト、ユーモア」なども含まれる。全体的に怪しい雰囲気が漂うホラー&ミステリーな作り。

各短編の長さは、短いものだと10数ページ、長いものだと50ページくらい。単行本でのページ数は254、全体のボリュームは中くらい。

各短編の終わりに「細断されたあとがき」という1~2ページ程度の短い後書きが付されている。各編の元ネタ・コンセプト・ポイントなどを著者が解説しており、本編と合わせて二度美味しい。

収録作品

タイトル元ネタ(著者)備考
赤い部屋異聞
赤い部屋
江戸川乱歩
犯罪ミステリー
青空文庫
砂時計の伝言
『一滴の血』
コーネル・ウールリッチ
ホラー・サスペンス
51番目の密室』に収録
続・夢判断
『夢判断』
ジョン・コリア
オカルト
異色作家短篇集6 炎のなかの絵』に収録
対位法
『続いている公園』
フリオ・コルタサル
オカルト・ミステリー
遊戯の終わり』に収録
まよい猫
元犬
落語
ユーモア
ペット探偵、楽しい
葬式がえり
『小豆とぎ橋』
小泉八雲・民話
怪談
【怪談アニメ】3分で分かる小泉八雲の怪談 第4話『小豆とぎ橋 YouTube
最後の一撃
『馬をのみこんだ男』
クレイグ・ライス
推理・ユーモア
ミニ・ミステリ傑作選』に収録
だまし舟
『阿蘭陀すてれん』
都筑道夫
ホラー
阿蘭陀すてれん 都筑道夫恐怖短篇集成2』に収録
迷探偵誕生
『成立しないヴァリエーション』
ジョージ・R・R・マーティン
現代的・サスペンス
洋梨形の男』に収録

元ネタで読んだ(視聴した)ことがあるのは、『赤い部屋』と『小豆とぎ橋』のみ。

最初の『赤い部屋異聞』で引き込まれ、『砂時計の伝言』と『対位法』で怪しい世界に迷い込んだような気分を満喫できた。

ホラーな方向性の作品が多い中で、不思議で愉快な『迷い猫』『最後の一撃』が良いアクセントになっていたと思う。

先日記事にしたゲーム・オブ・スローンズの原作者「ジョージ・R・R・マーティン」の作品もありました。全く違うジャンルでこういう風に繋がるのも面白い!

方向性

おもしろさ
(知性・好奇心)
4.0
たのしさ
(直感・娯楽)
3.5
あかるさ
(←暗い/明るい→)
2.0
よみやすさ
(文体・構成)
4.0
よみごたえ
(文量・濃さ)
3.0

まとめ

3.5

まるで『世にも奇妙な物語』を視聴したような読後感で楽しい短篇集でした。

民話・落語などの古典的なものから、スーパーコンピューター関連の現代的なものまで、多彩な題材が取り扱われていて飽きずに読めたのも良かったと思います。

少し残念なのは、個人的にあまり得意ではないタイプのホラー系(怪談)作品も含まれる点でした。

怪奇現象の謎・原理などは完全解明されなくてもいいけど、それによって発生する問題に対してはある程度の論理的解答がなされないと「怖さ」を楽しめない。有無を言わさぬ世界設定や、不条理に何でも出来ちゃう呪いパワーが強すぎると、お楽しみであるはずの「怖さ」をすっ飛ばして「諦め(あるいは呆れ?)」に達してしまう。

総合的には、バラエティ豊かな怪奇よりのミステリー短編集って感じです。ひねりの効いた不思議で怖い話を手軽に読みたいときにおすすめです。

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となはざな
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