
ダンジョン探索&アイテム錬金なRPG『ダーク オブ アルケミスト』のレビュー・感想・紹介記事です。
死んだらレベルリセット&所持アイテムロストの緊張感あるコマンド選択型RPG作品です。
探索・錬金・プレイヤー強化を繰り返してダンジョンの奥に待ち構えるボスを攻略!ほどよくシビアな難易度バランスで歯応えがあり面白かったです。
基本情報
タイトル | ダーク オブ アルケミスト (Dark of Alchemist) |
---|---|
発表 | 2018年 |
開発 | R.O.App |
ジャンル | RPG |
キーワード | シングルプレイ、コマンド選択型、オフライン可、ダークファンタジー、錬金術、アイテム生成、探索、ダンジョン、インディーズ |
プラットフォーム | Android、iOS |
価格 | 無料(広告あり、課金なし) |


Android版のバージョン1.3.2をプレイしました。
作品概要
『ダーク オブ アルケミスト』は、2018年に発表されたインディーゲーム作品(ビデオゲーム)。ジャンルはRPG。
主人公のプレイヤーは、偉大な錬金術師であった父の仇である邪神を討伐すべく、今は廃墟となった危険な古城を探索する。
探索で素材を集めて装備やアイテムを錬成。戦闘で勝利してレベルアップ。探索ポイントで能力・パークを獲得。プレイヤーを強化して城の最奥のボスを目指す。
ダンジョン探索で死ぬとプレイヤーキャラのLvはリセットされて1からやり直し、所持中のアイテムも消滅する(※強化した能力と倉庫に預けていたアイテムは引き継ぐことができる)。
ダンジョンではチェックポイントに到達しなければ拠点へは戻れない。選択を誤れば失うものは大きい。押すのか引くのか、使うのか使わないのか、取るのか捨てるのか、その判断が重要になる。


行動の一手一手が命運を分ける、頭を使う感じの作品です。
拠点パート
拠点パート(隠れ家)では、プレイヤーキャラの強化、素材を合成して装備やアイテムを作る「アイテム生成」、「アイテムBOX」(倉庫)での所持アイテム整理、「傷の治療」「休息」によるHP回復などが可能。
ダンジョン探索の途中にあるチェックポイントからこの場所に戻ってきて、再度続きに挑むことができる。これ以上進むと生きて帰れそうにない場合は、進行をリセットして再挑戦することも可能。
アイテム関連
拠点での「アイテム生成」では、探索パートで入手した素材を使用して武器・魔法・防具・アイテムを作成できる。
アイテムは全て使い切りの消耗品。武器・魔法・防具にも使用回数(耐久力)が存在する。いつどこでどのくらい使うかよく考えておきたい。
持ち運べる所持アイテム数は初期20個、最大30個と少ない。アイテムBOX(倉庫)は、初期10個、最大20個。
アイテム生成は、基本的に2個以上の素材アイテムを組み合わせて作られる。装備、LIFE回復ポーション、スタミナ回復料理、素材アイテム、その他アイテム…と、アイテム枠はいつも窮屈。
アイテム管理は本作の肝だ。
キャラ強化
プレイヤーキャラクターの強化には4つの要素がある。
- レベル
モンスターや探索者との戦闘で獲得できるEXPで上がる。
レベルアップでHPと攻撃力が上がる。
死んだらリセットされてLv1になる。 - 能力強化
ダンジョンを探索することで獲得できる成長ポイントで強化する。
成長ポイントはダンジョンの進行度に応じて、クリア・死亡・休息時に獲得できる。
能力の種類は、アビリティポイントの追加、パーク数の追加、与ダメ・LIFE・アイテム所持数の増加など。
死んでも引き継がれる。 - アビリティ
キャラクターに特徴を持たせる6種類の基礎能力。
初期値は全て30。最初に80ポイント付与、強化でさらに150ポイント割り振れる。
成長ポイントを消費して振り直しが可能。自由度高め。
死んでも引き継がれる。 - パーク
パークガチャチケットを使うことで獲得できる追加の能力。
戦闘能力を高めたり、探索に効果を発揮するものなど様々。
獲得したパークは拠点でいつでも付け替え可能。装備数は初期1、最大4。
死んでも引き継がれる。


死んで失われるキャラクターの能力は実のところレベルだけです。痛いといえば痛いですが、萎えるほどではない良い塩梅。
キャラクターの育成パターンは多様&ステータスの振り直しもできるので楽しいです。
ダンジョン探索
ダンジョン探索パートは、「アイテム回収」と「戦闘」が基本。
進む(戻る)たびにスタミナが消費される。追加のスタミナを消費して索敵を行うと、進む先のエリアに待ち構えるイベント(モンスターor探索者)を事前に知ったり、有利な対策を打つことができる。
武器にも防具にも使用回数があり、キャラ死亡によるペナルティも重めなので、戦闘は割りとシビア。先制攻撃、不意打ち、強力な武器・魔法の使用など、工夫が必要になる。
他の探索者との遭遇もある。アイテムをトレードしたり、話すことで追加のイベントが発生することも。襲って経験値&アイテムを奪うのも選択肢の一つだ。


探索はなかなか緊張感があります。
傾向・雰囲気
おもしろさ (知的、好奇心) | |
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たのしさ (娯楽、直感) | |
コミカル (陽気、軽快) | |
シリアス (陰鬱、厳重) |
全体的な雰囲気は、王道な感じの「剣と魔法のダークファンタジー」。コミカルな風は特にないが、特別にシリアスというほどでもない。
ゲーム全体のボリュームは短中編といった感じで比較的短い。
負荷は軽く動作は軽快。端末が熱くなったり、やたらと電池を消費することもないようだった。


『Fire HD 8(2020年版)』でもサクサク動作しました。低スペックなスマホやタブレットでも遊びやすいかと思います。
評価
ストーリー | |
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キャラクター | |
イメージ | |
サウンド | |
RPG | |
UI |
ストーリー性やドラマ性は希薄で、グラフィックやサウンドは汎用素材が利用されているが、基調とする雰囲気と違和感なくマッチしていた。
戦闘やキャラ育成の難易度バランスは良いと思った。キャラクターのステ振りや能力強化の方向性による戦略と、探索・戦闘におけるLIFE・スタミナ・所持アイテムなどの兼ね合いによる戦術が面白かった。
いまいちだったのはUI。アイテム生成画面で表示中のタブのスクロール状態が他のタブにまで反映される、スムーズにスクロールできない(引っかかる)、素材の所持数が表示されない、アイテムの並べ替えができない。他にも、最大LIFE・スタミナがわからないのが地味に困った。
個人的に大きなマイナスは、アイテム生成時や能力強化時に画面全体を白く光らせる演出だった。背景が黒の画面全体が2秒くらいかけて白く光るので眩しくて目が痛かった。特にアイテム生成は機会が多いため厄介だった。
攻略メモ


アビリティの振り分け
- 冷静さ>器用さ=運>筋力=生命=錬金
- 冷静さ=器用さ=運=筋力>生命=錬金
- 攻略中の階前半や前階を安定周回できるようになったら何でもOK!死にステはない。
序盤の探索では索敵・隠れる・やり過ごす・逃げるの成功率を高める「冷静さ」がある程度欲しい。索敵の失敗が多いとスタミナ不足が頻発するし、かといって闇雲に進めば被ダメ増加・出血・死亡が増える。生存性の向上に!
命中率とクリティカル率を高めるために「器用さ」もあると捗る。素の命中率が高ければ高ダメージが期待できる頭を狙えて、命中率の低い武器でも体に当てやすくなり、戦術の幅が広がる。
「運」もアイテム発見率と生存性の向上に欲しい。錬金素材を入手できないとどうしようもない。カンストの100まで強化するとドロップ率の高い「インゴット、エレメンタルストーン、スタミナ系の食材、止血剤」などの素材は溢れる。
「錬金力」はカンストの100だと、武器の耐久力が約1.6倍(20→32など)、魔法が一部除いて2倍(3→6など)。錬金はテーマでもあるのでもっと重要かと思ったが案外そうでもなかった。
「筋力」は物理攻撃力のみ上昇なので、ボス戦で魔法を主体に戦うなら必要性は低め。能力強化の「ダメージ増加」やレベルアップでも攻撃力は補える。
「生命力」はLIFEやスタミナの最大値がUIに表示されない仕様なのでいまいち恩恵が分かりにくかったが、上げなくても特に困らなかった。「LIFE増加」とレベルアップで事足りる。
索敵関連
- この先の様子はわからない
敵が先制攻撃をしてくることがある? - 何かの気配がする
敵の先制攻撃を防止? - 敵の気配がする
敵の名前がわかる
「進む」で敵に先制攻撃する(装備中の武器で「体」に攻撃すると同じ扱い?)
「隠れる」で不意打ち判定。失敗すると「この先の様子はわからない」と同じ扱い? - 人の気配がする
「進む」で探索者とのイベント
「隠れる」で探索者に不意打ちを仕掛ける。失敗すると「進む」と同じ扱い?
その他細かい事
- オートセーブなので基本いつでも中断・再開可能(ボス戦中は未確認)
- 拠点に戻れるチェックポイントは、各ステージ特定の倍数の「進行度」にある(1階:5、2階:6、3階:7、最上階:8、エクストラ:9)
- チェックポイントは敵が出現しない安置。進行時の索敵は不要
- 武器は攻撃が命中しなかったら耐久力の減少なし、魔法はミスしても減る
- 戦闘中でもアイテムの使用、装備の変更ができる
- 残りLIFEが少ない敵は素手で倒すと武器・魔法の消耗を抑えられる
- 敵は倒せるなら基本全部倒したほうが経験値やドロップアイテム的においしい
- パークは強力。特にレアやエピック。動画を見ることで付与されるスペシャルポイントは基本パークガチャに充てる
- 死んでも動画広告を見れば所持アイテムを取り戻せる
- 能力強化がカンスト近くまでいくとゴリ押しでも割りと攻略できる
- アイテムの「金貨」は探索者とのトレードアイテム
- 素材「エーテルの結晶」「ダークマター」「オリハルコン」はドロップしにくいので計画的に利用(一番強い武器や魔法は最後まで作る機会がなかった)
まとめ
『ダーク オブ アルケミスト』面白かったです。
ストーリーや作業感は控えめに、戦略・戦術・育成を楽しみたい場合にぴったりだと思います。