複数原料米の安いお米をネット通販で購入して食べてみてのレビュー・感想・紹介記事です。
これまでお米というと産地と品種と産年が表示された「単一原料米」の比較的新しいもの(収穫から概ね1年以内)しか購入したことがありませんでした。
しかしながら食料品価格の上昇が続く昨今です。節約のために最安値級の「複数原料米(ブレンド米)」にチャレンジしてみました。
「単一原料米の商品×1種類」と「複数原料米の商品×2種類」の計3種類(計30kg)を食べ比べました。
「価格と味」、コスパが主眼です。
単一原料米と複数原料米
消費者庁の玄米・精米に関する食品表示のpdf
玄米及び精米に係る食品表示制度の改正について(令和3年3月)
試したお米
2022年の9月~12月にネット通販で購入した3種類の精米商品各10kgを食べ比べた。
萌えみのり
安い複数原料米との比較対象となる単一原料米。直近で食べた秋田県産の「萌えみのり」。
2022年9月に楽天市場の『米すたいる楽天市場店』で購入。購入時は生産者応援キャンペーンで安くなっていて、10kgで「2,899円(税込み/送料無料)」だった。2023年2月時点では商品の取り扱い無し。
参考までに、記事を書いている2023年2月時点での、ネット通販における安い単一原料米5kgあたりの価格は約2,000円となっている。
こごめさん
『山本靖雄酒店 楽天市場店』で購入した複数原料米の商品『こごめさん』。
「割れた米、粒が小さい、規格外、未検査米」を含むことと、味より低価格で勝負していることを名言している”訳あり”系の商品。国内産の複数年産米が10割。
2022年12月に楽天市場店で購入時の価格は10kgが「2,480円(税込み/送料無料)」。2023年2月時点では「2,580円」に値上がりしていた。
米屋こだわり仕立て
ヨドバシ.comで購入した複数原料米の商品『米屋こだわり仕立て』。
Amazonの商品ページによると複数年産ブレンド米ということで、国内産の複数年産米が使われている模様。
2022年11月に購入時の価格は10kgで「2,560円(税込み/送料無料)」。2023年2月時点だと10kg「2,760円」に値上がりしていた。
2023年2月確認時は、Amazonで在庫切れ、ヨドバシは在庫あり(たまに在庫なしになるがしばらくすると復活)。
お米の「味」とか「品質」云々以前の「通販商品」としての基本「発送、梱包、包装、精米日」などは上記3点共に良好でした。特に問題なし👍
それにしても、数ヶ月のあいだにもどんどん値上がりしてる😱
米粒の品質
ペットボトルで比較
保存用のペットボトルに移し替えた米粒の比較。
複数原料米の『こごめさん』『米屋こだわり仕立て』は、単一原料米の秋田県産「萌えみのり」に比べて、乳白色の米粒(粉状質粒:成長不足の未熟な米粒、「シラタ」とも)や割れた粒が多い。
小皿で比較
小皿に各100g程度を移して比較。
米粒の大きさや形や色の整い具合は、見るからに「萌えみのり>米屋こだわり仕立て>こごめさん」だった。価格に準じている。
『こごめさん』の米粒を確認
白かったり割れた粒の割合が一番高かった『こごめさん』の各粒の割合がどれくらいなのか、ざっくりと確認してみた。
当初100gくらい手作業で選別してみようかとも思ったが苦行だと気付き断念。わずかひとつまみの量を「整粒・白粒・割粒」の3基準で大雑把に選り分けてみた。
保存容器に入れた米粒の山から真ん中あたりを取ってみたところ、「整粒:3割、白粒:4割、割粒:3割」という具合だった。※正確性に欠けるのでおおよその参考までに。
各10kgずつ消費した限りでは、変色した米粒や異物は見つかりませんでした(気付きませんでした)。
食味の評価
複数原料米の『こごめさん』と『米屋こだわり仕立て』の食味について。
炊き方・食べ方
炊き方や食べ方についての前置き。
- 精米時期から大体1ヶ月~1ヶ月半以内に消費
- 届いたら米袋から食品保存容器やペットボトルに即移して冷暗所で保存
- 調理法は炊飯器での炊飯
- 炊飯器の内釜に米を入れてしゃもじかヘラでかき混ぜて洗う×2回水替え
- 水の量は内釜の目盛で通常量から5%くらい減らす(3合炊く時は2.85合くらいの量)
- 浸水時間は1時間~2時間、通常モード(50分)で炊く
- 炊きあがったら炊飯器で保温せずにタッパーに移して冷蔵or冷凍
- 冷蔵なら2日以内、冷凍も1週間以内に食べ切る
食感・歯触り
これまで食べてきた単一原料米のお米と分かりやすく違う点は食感だった。
噛んだときの米粒の弾力、モチモチ感とでも言うような歯触り・歯応えが基本的に弱い。これは、大きさの整った整粒の割合が少なく、古米や小さな粒、割れた粒の影響と思われる。
もう一つは、新しい米を使った単一原料米と同じ量の水で炊くと”ベチャ”っとした食感になりやすいこと。水を吸いやすい古米や割れた粒が多めに含まれるため、少なめの水で固めに炊かないと食感が悪くなりやすいようだった。
炊飯時の水の量を少し減らして硬めに炊くとベチャっとした感じのしない、ほどほどの硬さをもつ歯応えに仕上げられた。3合炊く時は水を5%くらい減らした2.8~2.9合分くらいにしている。
総合的に食感や歯触りは良くないと思った。柔らかめのモチモチしたご飯が好きな人には、安い複数原料米は相性が悪いと思われる。
自分は固めのご飯が好きなのと、大麦(押麦)を混ぜた麦ご飯もよく食べるので、食感の面でのマイナスは特に大きくなかった。
食感対策として、他の粒揃いなお米と混ぜて炊く(かさ増しオリジナルブレンド)、もち米を入れるなどの方法があるようです。
味(旨み・甘み)
味については「普通においしい」が率直な印象。
味や品質が普通の単一原料米に劣るという前提で実際に食べてみると、思いの外「普通においしいお米じゃん」になった感じ。
とはいえ、お米の自然な「旨み」や「甘み」は、新しめの単一原料米と比較して弱いと思った。2~3割減くらいだろうか?
味覚的に”不味い”と感じる味がする訳ではないし、変な味もしない、お米のおいしさはちゃんとある。ただ、その旨みや甘みが弱い。星5評価で言うなら★3~3.5といったところ。
米自体の味を積極的に味わうような食べ方だと”味気ない”って印象になるかもしれない。塩おにぎりとか薄味のおかずとの相性はいまいちだろうか。
比較対象の「萌えみのり」と食べ比べると、味の差は結構はっきりしてました。
香り
香りについては正直違いがよくわからなかった。
古米は酸化によって独特のニオイを発することもあるらしいが、変なニオイは特にしなかった(気にならなかった)。
炊きあがり、口に入れる前、口に入れたあと、特にこれといってイヤなニオイはしなかった。麦ご飯の独特の癖や風味に慣れているため、印象的な香りと認識される基準が下がっているのだろうか。
総合的な食味は、価格に比例して「米屋こだわり仕立て>こごめさん」という印象でした。
複数原料米のブレンドの品質は、商品ごとの差が大きいと思われます。
まとめ
最安値級の訳ありな複数原料米、おいしく食べることができました。総評としては、食味に多少妥協できるなら充分ありな選択だと思いました。
安い複数原料米は食味で劣りますが、安い単一原料米の3分の2くらいの価格であることを踏まえると、個人的には味と価格のバランスが取れているという評価です。この辺りは「食事という行為に何をどこまで求めるか」にもよるでしょう🤔
購入前の下調べでショップサイトを確認した際に、「まずくて食べられない」「臭くて捨てた」とか酷いレビューもありました。少し心配していましたが杞憂で良かったです。農産物なので、その時々である程度の当たり外れはあると思います。
お米の食味に求める基準によって評価の違いは大きいでしょう。味よりも価格重視で、お米にかかる費用を少しでも節約したい場合には、複数原料米も良いかもしれません。
Amazon、楽天市場、Yahooショッピングで商品検索する時のキーワードは「複数原料米」より「ブレンド米」のほうがヒットしやすいようです。
10kg、20kg、30kgとまとめて買うほど安くなる傾向があります。