青空文庫の所蔵作品を合成音声で読み上げる朗読ソフトを使った感想。
「青空ろーどく」 v1.5.3 動作OS: Windows7/Vista/XP/2000
無料で利用できるインターネット図書館「青空文庫」のテキストファイルを読み上げるソフト。「softalk」や「棒読みちゃん」等でも使われる合成音声の「AquesTalk(アクエストーク)」を使用。ニコニコ動画とかでもよく見る「ゆっくりボイス」のような機械的音声で朗読してくれる。
動作には形態素解析ツール「MeCab」が必要。「MeCab」インストール時の文字コードは「SHIFT-JIS」を選択。MP3形式の音声ファイルを出力する際にはMP3エンコーダーが必要らしい。
■本体ダウンロード
ベクター:青空ろーどくの詳細情報 : Vector ソフトを探す!
■MeCabダウンロード
Googlecode:MeCab: Yet Another Part-of-Speech and Morphological Analyzer
■MP3形式の音声ファイルとして出力する際に必要なソフト
Lame:RareWares
使ってみた感じ
UIはシンプルでヘルプを読まなくても直感的に使える感じだった。基本的には、青空文庫からダウンロードしてきたテキストファイルをウィンドウにドラッグ&ドロップするか、メニューの「テキストファイルを開く」から選べばOK!
ファイルの読み込みに掛かる時間は文量次第のようで、55行の「蜘蛛の糸」だとほんの数秒、669行の「風立ちぬ」で10秒くらいだった。
ZIP形式で配布されている青空文庫のテキストファイルを解凍する必要が無く、ZIPファイルのまま開いて読み込めるのが地味に便利だった。
テキストファイルを読みこんだら、ウィンドウ右下のボタン「スタート・中止」で開始&停止、下部の「速度」で読み上げ速度を調整できる。初期値100、50~300の間で設定可能。実際に使ってみた感じだと、自分の場合は速度80くらいが聞き取りやすかった。
読み上げている箇所が反転表示されるので、聞き取れなかったり、聞き直したい場合はテキストの該当箇所をクリックすることで、戻ったり、進めたりできる。
しおり(ブックマーク)機能を使えば、中断していたところから朗読を再開できる。「しおりをはさむ」で記録し、「しおりをはさんだところから再開」で読み込む。
設定と音声ファイルの出力
設定はそこまで複雑じゃなく、初期設定のままでも普通に使えた。句読点や改行の無音間隔(待ち時間)等、ある程度好みに合わせて設定できる。
基本は読み上げソフトだけど、音声ファイルとして出力する機能もあって、メイン画面のメニューの「音声ファイルの出力」をクリックでWAVやMP3で出力可能。WAVファイルだと容量がかなり大きくなるのでMP3のほうが良さげ。
音声ファイル出力設定で外部プログラムの利用にチェックを入れ、上記したMP3エンコーダー「Lame」のexeファイルを参照から指定、拡張子を「mp3」にすればMP3形式で出力できた。所要時間は文量によるみたい。
「走れメロス」で試しにMP3出力してみたところ、オプションを空欄にすると54分・ビットレート8kbps・ファイルサイズ3MBで、音質が極端に悪かった。
そこで、オプション欄に[-b 64]と設定してみたところ、64kbps・サイズ25MBで、特に不満を感じない音質で出力出来たが、これが正しい設定なのかよく分からない。後、出力時の読み上げ速度は「青空ろーどく」の設定がそのまま反映されるので要確認。
参考にしたサイト
・23周年:LAME 3.98 stable コマンドラインオプション
感想
肝心の読み上げ精度に関しては、機械的に処理を行っているためか、やはり一部で誤読があり、抑揚にも若干違和感を感じる部分があるけれど、自分としては実用に足る印象だった。この辺は個人差が大きいだろうから実際に聴いてみないと分かりにくいだろうなあ。
読む必要のないルビや記号はちゃんと飛ばしてくれるので、全体的にはスムーズに朗読できている感じで聞きやすかった。
このソフトの名前は「青空ろーどく」(平仮名) ですが、似た名前で「青空朗読」という青空文庫の作品を”人”が朗読しているサイトがあり、かなりクオリティ高くて( ´∀`)bグッ!
・青空朗読:青空朗読 | 青空文庫に所蔵されている本を朗読しています
ウェブサイトの閲覧やゲームをプレイしている最中にも聞いていますが、中々良い感じです。
青空文庫の収録作品数はブログ投稿時の2015年5月31日時点で「13100」だそうで、著作権切れの作品を中心とした往年の名作をお腹いっぱい楽しめそう!作者さんに感謝です!